第22回「人生、あるがまま」文字起こし

遠:皆さん今日は、120°禅の遠藤翠です。

S:元ラジオディレクターのSattomoです。音声配信番組「人生、あるがまま」第22回の配信となります。今回もまたまた素晴らしいゲストにお越しいただいております。写真家でAnd EM代表の宮本章光さんです。

宮:今回、貴重なご縁をいただきまして、ありがとうございます。皆さんキャッチフレーズがあったので、私も考えてきました。“直感で生きる男”宮本章光です。よろしくお願い致します。

S:テッコさんが、確か人生自由形でしたね。宮本さんは直感で生きる型ですね。承知いたしました。で、宮本さんには事前にプロフィールを頂いてますので、まず簡単にご紹介させていただきます。関西の大学ご出身で卒業後、大手商社に就職、体調崩されて15年間勤務の後に退職。復活後はいくつか転職なされまして。それでもまたちょっと体調崩されまして、離脱を余儀なくされされたと。で、その後起業されまして、現在は写真家として、そしてクラシック演奏会専門録画制作業を営まれています。因みにラジオのレギュラー番組も6年間担当されていたということなんですけれども。もともとあの遠藤さんと宮本さんがtwitterでつながってたんですよね。

宮:そう、なんですね。非常に為になるようなお話を発信されてたので、この人は面白いなと思ってフォローしたんだと思うんですよ。そしたらね、たぶん30秒経つか経たないかの瞬間にねフォローをおかえし頂いたので、この人すごいやと思ってその瞬間にリストに登録させて頂きました。

S:遠藤さんどうです、宮本さんの印象って?

遠:今日も実はそればっかり考えてたのね。何言おうかなと思って、そればっかり考えたんだけど、これも直感ですね。情熱と客観性を二つ合わせ持って求道的であろうとしている宮本さん。

宮:ありがとうございます。恐縮でございます。

遠:やっぱり何かを求めてらっしゃるねその真摯さというのが見えますよね。真剣に求めていらっしゃるんだなあっていうのが、とても伝わってきますね。偉そうな物の言い方をしますけれども。

宮:いいえ、とんでもないです。

S:先ほどプロフィールを簡単にご紹介させていただきましたけれども、大学卒業後大手商社に就職なされて。で、15年間働かれたんですよね。そこで体調を崩されて退職なさったということで振り返って何が原因だったと思うんです。

宮:えっとね。一言で言うと、食べるもの、口にするものですね。食べ物は体を作ってますよっていう基本的な意識自体がなかったという。こういう大失敗ですね。で、いわゆる周りの人たちとか、先輩とかもそうなんですけれど、身体を壊してそれが勲章になるみたいなね。壊して一人前みたいな、そんな雰囲気がこの会社にはあったんですよ。

遠:なるほどね。

宮:他の業界もそういったモノはあるんだみたいなことは見たり聞いたりしたことはあるんですけど、本当に勲章にしちゃってるようなところがあって、で、実際にそれで亡くなっている方もいるわけですからね。

遠:まあ、そうでしょうね。

宮:どうなのっていうところまで深く考えなかったんですよね。22歳で就職してですよ。で、周りからそういうふうに人生は「経験・勘・度胸」だよみたいなことを洗脳されていってですよ。それで会社人間になるわけですよね。毎晩お酒ですよね。それが当たり前になっているような雰囲気のところに、ドカーンといきなり卒業して入ってですね。で体が壊れたよみたいな、それも勲章で良いじゃんみたいなね。結局そこで体をこわした原因が食べ物にあったんだよっていうことに気づかないまま体を壊してるっていうね、あれが大失敗なんですよ。

遠:僕も実際その当時というか、その年代的には違いますけれども。丁度バリバリ働くというか、そういう時っていうのは何も考えてないですね。毎日、酒飲んで。毎晩酒飲んで。今日はどこへ行く、明日はどこへ行くみたいな、話しだよね。夕方になると電話かかってきて、遠ちゃん、今日はどこ行くっていう世界ですよね。

宮:そうなんですよね。本当に、毎日先に帰ったはずの上司から電話がかかってくるんですよ。お先とか言って先に出て行った人がですよ、十分後ぐらいに外線の電話が鳴るんで、お得意先かと思って出ますよね。「もしもし、向いの地下だから。」って向かい地下で飲んでるんですよね。

遠:わかるわ、うん。

宮:毎晩ですよ、毎晩。とにかく浴びるように飲んで次の日がしんどいんですよね。なので毎日終電で帰ると。結局食べ物と体の関係、それとストレスとの関係。そういったものが全部複合的に影響しているんだよってことを全然意識してなかったって言う大失敗ですね。

S:なるほど。そこから復活されて、2度目の体調不良に悩まされる訳じゃないですか。で、その時はまた食べ物から来たんですか?

宮: 3つ会社に勤めてるんですよ。1つ目は商社です。今のお話ですよね。2つ目はメーカーさんに行ったんですよ。暴飲暴食やめようとか、毎晩そういう環境ではない会社に行ったので、体は一応平静を保っている、おかしなことにはならなかったんです。ところがですね、2つ目に失敗をしたのは精神的にダメージをドカンとやられちゃったっていうかねえ、その会社にコンサルタントの先生が入ってらしたんですね。で、その方が非常に厳しいんですよね。私のところに先っぽを向けてくるんですね。実際に拳で頭だとか胸をごつごつと。君はこういうことをやってるから駄目なんだよとやられたことがあって。それがね、痛くはないですよ、痛いのはね心、精神的に痛いんです。で、この時に駄目だったのは、精神的に参っちゃったというのがあります。3つ目がね。もう全部言っちゃいますけど、印刷会社だったんですね。地元ですよ。自宅から歩いて35分くらいの距離だったんですね。逆に言うと近いんで、やることがとめどなくあっても、結局それを詰めてやっちゃうんですね。外に営業で出るんですね。機械を回す人間じゃないんで、営業車で事務所に帰ってくるのが11時ぐらい23時ぐらいなんですよ。

S:そりゃ大変ですね。

宮: 23時頃に帰ってきてから、事務処理をしたりとか、あるいは稟議書をかいたりとか、見積もり作ったりとかってやってると必然的に朝の4時とか5時になってしまうんですね。時間的にそれでもまだ残る、身の程知らずっていうかね。何かやりたくて夢中になるのと、意地で夢中になるのと、その悪い方の夢中だったと思うんですね。だから大晦日だとか、正月もその処理のためにずっと出て、鍵も与えられてたみたいな感じでしたね。結局そんな状態ですから、体もたないですよね。で、満足に食事も食べてないですから。半分、居眠りしながら何百のメールと電話で朝明け方まで仕事みたいなことをやってるとですね。やっぱり体がもつわけないんですよね。で、一社目の会社で失敗したことなんか全然忘れてますよね。目の前のことで。二社目に務めたことも全く頭にないですね。とにかく忙しい、とにかく大変、それしか頭にないんですよね。である時に、お正月の年始回りで得意先に一緒に行こうって言うことで上司と車に乗っている時に、厳しい腹痛が襲ってきました。痛すぎて車の乗り降りもできないんで、そのまま病院に駆け込んだんですよ。で、そのまま入院でした。一週間、病院のベッドで過ごしたんですけど。ここでね、まぁおかしな人だって言われると困るんですけど、天から降りてくる訳ですよ。もうこういう仕事はやめようよ。もう自分は組織の為に尽くすなんてことは辞めたと。これからは自分がブランドになるんだよってことをね。まあ、自分の言葉ではなくて、天から降りてきたんですね。これが強制終了の合図だったと思います。2005年の年明けでしたね。

遠:なかなかドラマチックって言っちゃ失礼なんだけども、本当大変ですよね。いや、もうご苦労がね。すごいなあっていうか、ちょっと呆れてます。

宮:自分が昔を振り返っても呆れてますよ。

S:自分がブランドになるって、なかなか気づくの難しいじゃないですか。じゃあ何があるんだよっていうところが、あったりもするので。その辺りはどう考えられたんですか?

宮:で、自分にじゃあ何ができるんだ?と思った時に何かを使って何かを伝えるなので、ちょっと漠然としてるんですけれど、今の仕事に置き換えてみると、例えば演奏会の記録をつくるビデオ屋さんとして演奏会の記録を残して、それを喜んでいただく。というのが一つですよね。じゃあ、写真の分野でもそうです。写真を通して何かそのエネルギーを人に伝えることによって、自分の存在価値を見出す、あるいは私の仕事は別にカメラの講師みたいなこともやってます。写真教室の先生みたいな、カルチャースクールで8年半ぐらい写真の講師をやってたこともあるんですけれど。写真のテクニックというトーク、自分のノウハウを喋ることによってそれを伝えて役に立って立てて頂くみたいな。そういうものに漠然とその時にイメージが浮かんだんですよ。自分がブランドになるっていう事なんだなって漠然と思ってました。だからブランドって、マークを作ってネーミングだとか、ロゴマークがこういう色でなきゃダメだとか、そういうブランドじゃないんですよ。要はどういう風に、そしてどういう人たちに役に立ってもらえるのかっていうのが、自分のブランドなんだっていうことが降りてきた訳ですよ。一週間ゆっくりさせてもらえたからこそ、今があるんだと。こういうことだと思います。

遠:正に天の配剤ですな。そういう言葉を僕は、どうしても使ってしまうタイプなもんですよね。

S:で、ご自身の人生、激動の中で日本がおかしいって気づいたきっかけってなんかあるんです?

宮:日本がおかしいって言うのは、私自身の感覚なんですけれどね。全てがなんか昔からおかしいなと感じてたんですけれど、これがおかしいって決定的に思ったのは、1985年の123便墜落。事故、事件って言ってもいいのかな。1985年の8月12日だったと思うんですね。テレビを見ていると、なにか緊急ニュースみたいなのが出てですね。何か飛行機が行方不明みたいな、で、そのうちにですね。何か自衛隊員が銃殺だとかテロップがぴゅっと出てくるんですよ。助けなきゃならない人が人を殺すのみたいな、えっと思ったりしたら、今度そういう情報がころっと消えちゃって。で、レーダーから消えた場所はここってゆってたのに、それもどこで消えたか分かんないとか、ぐちゃぐちゃになっちゃったんですよね。まあ、皆さん、それもご存知の通り、あ、これは何か裏ですごく大きな力が動いているよねって、私の22歳かな。この時に、もうこれはと思いました。これがね、日本がおかしいと思った決定的な瞬間でしたね。で、それから10年ぐらいだったのかな。突然ね、123便の資料を急に調べたくなったというか、勝手に体が動いて図書館行って調べまくった時期があったんですよ。もちろん、勤務時間外と言いたいんですけど、勤務時間中にもやりました。なので、色んなことをね、これも導かれるように調べたんですね。で、当時の同僚にね、同じ机を並べた人間にこんなにおかしなことがあるよみたいな話をしたら、「お前、それはもう何年も前に片付いているただの事故だろう。尻餅ち着いたから壊れたんだろ、そうなってるじゃん。みたいに、馬鹿にされてしまってね。正面から全く向き合ってくれないんですよ。これだけの資料あるよみたいな。自前でコピーも沢山、電話帳みたいになるぐらいコピーを取ったりして、こんな資料もあるぜみたいに見せても、まったく取り合ってくれないんですよね。これね、今こういう気持ちを感じていらっしゃる方多いと思うんですよ。これだけ世の中おかしいのに、おかしいって言ってんのに、誰もとりあってくれないでモヤモヤ、イライラなさっている方沢山いると思うんですよ。この間のスペースでもそうなんですけれど、取り合ってくれないからモヤモヤしちゃう。でもね、これちょっとなんか偉そうな言い方になって申し訳ないんですけれど、その人が気づくか気づかないかっていうのは、その人の人生のシナリオなんでね。他人が気づけよとか、おかしいだろうみたいな、どうしてわかんねーんだよお前たちが分かんねえからいつまでも世の中変わんねーんだみたいに思ってるのね、もう止める事だと思うんですね。やめないと自分がいつまでもその中にい続けますからね。自分から脱出して行かないと、自分から望んで泥沼の中にいつまでも浸かってることになるので。やっぱり切り替えるっていうかね、サッカーでよく言いますよね。「切り替え切り替え」って。サッカーのオフィシャルの写真を撮った事もあるんですけど。それと同じで、切り替えるのは眠り続けている人に目を覚ませよって分かれよって言うんじゃなくて、先に目を覚ましている私たち、わかってる人自身が切り替えないと駄目なんじゃないっていうことをね、今日私、ぜひお伝えしたいと思っていま正にここで言いました。

遠:まさにそうですね。他人の為にやると言うことは。イイんです。イイっていうか難しいねこれがね。なんて言えばいいのかな、他人の為に役立ちたいんだっていう言葉を使うのはあまりよろしくないと。普通の方々が思うのが、ある意味ですり替えを起こすんですね。いいのよ、楽しいことをやればいいのよってだけなんですよ。宮本さんが仰ったのも同じことだと僕は思いながらも敢えて言ったのは、ほんのちょっとのね足の踏み違いでねそっちいっちゃうんですね。

宮:そうなんですよ。今回、この2020年からの混乱がありましたよね。その当時は私、踏み違いをしました。これは違うと思ったんで、違う方向に道を乗り換えました。

遠:なるほど。禅的に言うと、全てそれは、あなたがどうあろう、こうあろうと関係なく、全て天の配剤なんですね。だから宮本さんがね、まあ、ようやったなあっていう感じですよね。はたから聞いていると、まぁようやったわよっていう感じがするんだけど。それもね、あなたには必要だったんだっていう。全てあなたが動いてんじゃねぇんだよ。お天道様がね全部あなたをね、動かしてるんだからね。やっと気がついたかっていうレベルですよね。

宮:ありがとうございます。

遠:いやいや、私が言ってんじゃないですからね。うん、だからまあ良かったねって話なんですよ、僕からするとね。

S:でも、そんな宮本さんがね。例えば、人生で影響を受けた人とか、本とか映画っていう物ってなんかあります。

宮:今ね、ここにその本を出してきたんですよ。1972年にウルグアイ空軍機571便遭難事故っていうのがあったんです。これアンデスにね。飛行機が落ちた雪山に。で、16名が生き残って、70日間雪山で生き残ったのはどうやって生き残ったのっていうと、まあ亡くなった人の人肉を食べたりと言う事で、それはまあ本になったり映画になったりしてます。それが本になったのが「生存者」っていうね。今、これ出してきて見るともう黄色くなっちゃってね。で、ページ数も403頁もあるんですよね。これをね、私、小学校の時に読んでるんですよ。今ペラペラとめくるとね。古い本の匂い臭いっていうかね。そういう香りと一緒にね。6年3組宮本章光って書いたシオリが出てきた。ええ小学生でこれ読んでんだ…もちろん記憶がありますよ、自分が読んだんだからね。でも考えてみればね。小学校5〜6年生でこの本を読んでるんですよね。大丈夫、この子っていう感じがしましたよね。これがね、私の強烈にインパクトを受けた本だったんですね。

S:僕なんかたぶん、まあ、小学生でそれを取ることはないと思うんですけれども。高校生ぐらいで取ったとしても強烈過ぎてすぐ返しちゃうと思うんですけれども、すごく惹きつけられたものっていうのは…

宮:矢張りね、この本が持っているエネルギーだと思うんですね。私は。で、こういう物語ではなくて、事実に基づいて書かれてあるっていうところ、その事実に基づいて書かれているエネルギーに惹かれてたんだと思うんですよ。

S:なるほどね。これからの時代を生き抜くのに必要な能力っていうのは、宮本さんは何だと思われますか。

宮:これはもうズバリ直感ですよね。で、直感って言っても、やっぱり感情に流されちゃってね。その直感が鈍ることが多いんですよ。でまた、直感が感じられなくなってしまっている人も多いと思うんです。ですんで、直感をまず感じるようにする為にセンサーをもう1度磨き直さないとだめですね。それと今度自分でしっかりと磨いたならば、その直感を信じることですね。信用しなければね。「いや、どうせ私の頭に浮かんだことなんて、実現しないんだから。」とかって思っちゃうと、それ絶対実現しませんよ。

遠:その感性っていうか、その感覚というか、一種の悟りに似てますよね。何も座禅してるから悟れるとか、そういう話じゃないですからね。別に普通に生きてても悟りは開けますからね。それはそれなりのね、重なっている人生のいろんな層がある訳ですよ。それを生きてずっと突き抜けてくるわけですけど、まあ突き抜けるっていうことが有るか無いかですね。その層を傍によけてぶつかって来なかったら、また難しかったりもするんですけども。宮本さんもね、その層を突き抜けて来たんですね。それなりに突き抜けてきて、でまぁ、具体的には倒れたりしてもね。そこでフッと力を抜いた瞬間に、やっぱり降りて来たんでしょうね。

宮:そうだと思います。

遠:病院の入院が、一種の座禅ですよね。

宮:あ、そういう事ですね。いや、ありがとうございます。

遠:そう言う事だと僕は思います。今お聞きしててね。

S:いやいや、まだまだ聞きたりませんので、次回も宮本さんにはお付き合い頂きたく思います。第22回「人生、あるがまま」ここまでのお相手は

遠:120°禅 遠藤翠と

S:元ラジオD•Sattomoと

宮:宮本章光でした。

3人:バイバイ。 

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