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dialectic

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分別ある没頭
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2019年9月の記事一覧

男が少し前の詩を紐解いて「これはきみを想って書いた」と言い出したので卒倒してしまった。この女になりたかったのに、と抗議したら「君に振り向いて欲しくて」とはにかんだので、今度こそ絶命してしまった

「恍華」

「恍華」

ひょんなきっかけで知り合った仙人の居に招かれた。

女を住まわせていると聞いたので、(彼女の素性や嗜好は分からないが)いかにも女が喜びそうな手土産を黒い小袋に潜ませて、たちこめる霧の中を歩いた。不思議なことに、名古屋から履いてきたロックポートのハイヒールで、岩場をすいすい歩くことができる。

彼に呼び寄せられたのは私にとって僥倖といってよく、理由を聞けば、「きみのカメラの解像度がいいやね」と言って

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恋が増えてしまったので何も書けない