【外部環境テーマ①】VUCAワールド

合同会社Coaching4Uの渡邊です。

前回、組織体や生命体のパフォーマンスは、
「外部環境×内部環境」の関係性(縁起)によって規定されるという話をしました。

では、現在の企業組織を取り巻く”外部環境”はどうなって来ているのでしょうか?
そして、その変化に対して、企業組織はどのように適応・適合すべく“内部環境”を進化させて来ているのでしょうか?

“外部環境”について、考えるべきテーマは二つあると思っています。
一つ目は、“VUCA”。
二つ目は、これは特に日本を含む先進国のテーマですが“人口増加社会から人口減少社会へ”という事です。

まず今回は“VUCA”について。

“VUCA”とは、何か?
よくご存知の方も多いと思いますが、改めて概要を振り返って行きたいと思います。

Volatility(変動性)
Uncertainty(不確実性)
Complexity(複雑性)
Ambiguity(曖昧性)

の頭文字をとったもので、現在の“外部環境”は、変動性、不確実性、複雑性、曖昧性が高い、という事を表現しています。

そもそも、このVUCAという言葉の語源はwikipediaによれば、以下の通り、軍事用語として用いられていたものがビジネスでも用いられるようになったという背景があります。

「1990年代以前の戦争は、国と国との戦いであった。参謀本部が作戦を立案し、現場の部隊が作戦を実行する。ビジネスも同様で、経営陣は経営戦略を立てて、現場が実行する。軍隊もビジネスに携わる企業も組織の形態はピラミッド型であったと言える。

1990年代以降に発生したアルカイーダがアメリカ合衆国を標的として実行された数々のテロ行為をアルカイーダとアメリカの戦争と見た場合、以前のような「国と国との戦い」とは根本的に異なる状態であった。アルカーイダは国ではなく、組織のようだがトップが誰かはよく分からない。また、トップが作戦を立て現場が実行しているわけでもなく、アルカーイダの思想に同調した人たちが同時多発的にテロを実行している。このようなアルカイーダとの戦争のスタイルを呼ぶのにVUCAという言葉が生まれ、それに応じた新しい戦い方が必要になった。

ビジネスの現場においても、テクノロジーの進歩は急速であり予測は困難、世界の市場は不確実性や不透明性を増した状況となっており、不安定なビジネスの状況を表すのにVUCAが用いられるようになってきた」(Wikipedia:https://ja.wikipedia.org/wiki/VUCA)

上述の様に、特にビジネスにおいては「テクノロジーの進歩」の予測困難性によって、繁栄していた企業が突如として凋落するという事例が見られます。
例を挙げれば際限がありませんが、外部環境の変化に対する、“コダック” “富士フィルム”2社の明暗が別れたその後については有名な事例ではないかと思います。

直近では、あの世界的自動車メーカーである「トヨタ」ですら、世の中の技術革新により、かつて競合となり得なかったIT企業との競争が激化することを見据え舵の切り方を模索しているようです。

このような先読みが難しい外部環境にあって、何が重要かといえば、
やはり、それは”外部環境”への”環境適応能力”(内部環境を変革する能力)ということになります。

かつて企業における主流は「PDCA」のマネジメントサイクル、ヒエラルキー(階層)型の組織構造、といった管理統制型のマネジメントスタイルでした(と言っても大半の企業は現在もこのスタイルです)。
しかし、これらのマネジメントスタイルは、ある程度環境が安定し、先読みが可能な状況でのベストプラクティスであり、現在のように複雑で先が読めない環境においてはあまり効果的ではないことは多くの方々の指摘の通りと考えます。

ではどうすれば良いのか。

それは、「外部環境がどう変わろうとも、即応できる組織」を作る、ということです。

直近のホットな話題を絡めて、あえて例えをいうのであれば、人間の個体で言えば「未来どんなウイルスが流行するかは正確に予測することは出来ないので、どんなウイルスが流行しても対応できる“免疫力”がついた身体にする」ということです。

未来の外部環境が精緻に予測できない以上、これは組織(企業等)でも一緒です。

そして、組織の「心身」の健全性、環境適応力を保ち高めるためにはどんな原理原則があるのか。

「心本主義経営」はその一つの解を見出すべく、研究を進めています。
私たちは、“その最適解は、すでに知っている。”“生命や心身の原理原則にそのエッセンスが詰まっている”と考えています。

それは、自然界はVUCA・カオスであり、我々生命はその端を適応・進化しながら今日まで生き抜いてきていることからも明らかではないでしょうか。

文責:渡邊 佑

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