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適正価格と意識改革

ナイスライミングから始まりました本投稿。
今回は、ちょっと真面目な話します。

本年産の青森りんごは自然災害により大きな被害を受けました。
◎春の高温
・開花が早まったことで遅霜にあたり、良品率の低下
◎夏の猛暑
・ホルモン異常を起こし収穫前落果の多発
・山の木の実不作による獣害・鳥害の多発
・病害虫の増加、虫の発生サイクルの短期化
・日やけ果の増加
◎秋の温暖
・気温が下がらなかったことによる着色不良と蜜果率激減

今年の青森りんごの生産量は、まだまだ発表されませんが、間違いなくかなり少ないです。
他県産(長野や秋田や岩手など)りんごも同様に自然災害による被害を受けたので、国産りんご全体として生産量は少ない+良品率は低いです。

その結果として、産地市場は高騰し、品質に伴わない高値で落札されていきました。収穫数が少ない生産者にとっては高値で売れることは間違いなく喜ばしいことです。
ただ、確かに短期的視点(その年の生活)で考えれば喜ばしい・助かった、という気持ちなのは間違いないですが、長期的視点で考えたときに果たしてプラスなのかどうかは別の話です。

産地市場が高値であれば、消費地市場、つまり消費者が買うときの値段もあがります。ただでさえ主要果実のなかでも群を抜いて喫食率が下がっている「りんご」。異常な高値による「りんご離れ」を加速させる可能性は十二分に考えられる、と思っています。

前提として、青森りんご産業が今後も安定して続いてくためには、生産者が再生産できる価格でなければいけないのと同時に、消費者が買いたいと思えるだけの価格・価値でなければいけません。
ここ10年くらいは輸出が好調だったため、原油原材料や資材の高騰の波を受けても、産地相場は高止まりで推移しており、ある程度の面積をもつ生産者は安定して再生産できる売上を確保できていると思っています。

ただ、それが適正価格かどうかと問われれば疑問です。
青森りんごは「冷蔵技術・長期貯蔵技術」があるからこそ国内からのニーズがあるものだと思っています。
そのためには生産者と消費者の間にいるりんご移出業者の存在が必要で、彼らは産地相場が高騰すればするだけ利益を出しにくくなり存続が危ぶまれます。

長文を打っていると、打つのも疲れてくるし何を伝えたいのかブレるし、読み手も疲れるので、ここらへんでまとめに入ります。

各立場にいる人たち(例えば生産者だったり、りんご移出商だったり、販売店だったり)が「自分だけ良ければ良い」という考えでは、青森りんごの衰退は免れないと今年特に強く感じました。

今こそ各立場の人々にとっての適正価格はいくらなのか、青森りんご産業を次世代に繋ぐためには、各立場だけが潤っても他の立場は苦しむという意識をもつ必要があるのではないでしょうか。

そういった想いをもつ人が団結し「可及的速やかに」新しい組織なり活動をする時代がきているのではないでしょうか。来年からそういった活動の始動を始めようと思います。

※長文は、打つ方も読む方も疲れるのでかなり端折りました。悪しからず。






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