見出し画像

いきものだからね

うまくいかないイライラ。

自分はちっさい人間だなと思うが、怒りが湧くというのは生物らしさでもあるらしい。

ローレンツによれば、すべての動物のすべての個体は攻撃性をもっている。

ちくま学芸文庫・日高敏隆『人間とはどういう動物か』P74

こういうのを読むと、すこし慰められる。


ただし、怒りにまかせてとことんまでぶつかりあうような凄まじい世界は、生物界にはみられない。

動物たちは本当に利己的なので、あまり自分自身を危険にさらすようなことは、損だからやらない。

ちくま学芸文庫・日高敏隆『人間とはどういう動物か』P140

人間だって、自分の身体や精神が危うくなるのは損だ。それは本質的には、利己的な行動でない、という解釈ができるのかもしれない。

そう考えると、「どうでもよい」、こそがいちばん利己的な態度なのではないか。一時的な利益だとか、体裁だとか評価だとかその場の勢いとかは関関係なく。


人間も動物であるから、利己的にふるまうのは当然である。しかし、動物たちは利己的であるがゆえに、損することを極端に嫌う。浅はかに利己的にふるまいすぎてしっぺ返しを食ったときに、やっとそれをやめるのではなく、もっと「先」を読んでいるらしい。どのようにしてそれを予知するのかわからないが、これはどうも損になりそうだと思ったら、もうそれ以上進まないのである。

ちくま学芸文庫・日高敏隆『人間とはどういう動物か』P132

目先のことで浅はかにイライラしない。自分がコントロールできないことは気にしない。自分のできることだけ考えて穏やかに。

みんなちがって、どうでもいい。締め切りは相手の都合。どこかで聞いた言葉がつぎつぎ連想されてきた。おだやかに生きるコツだな。