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直木賞候補と聞いて飛びついてみる

有給休暇を取った日の早朝、直木賞候補の発表があった。布団の中で開いたツイッターで知った。

直木賞のために有休を取っていたわけではないが、朝からそんなニュースを知ったので乗っかってみようと思い、さっそく本屋に赴き、気になる二冊を購入した。イベントに飢えていたのかもしれない。

この週末にかけて読みふけった。直木賞候補になるくらいだから、面白いのは間違いない。

しかし、審査をする方はたいへんだろうな。まったく違う読みものから、賞にふさわしいものを選定するだなんて、その重責たるや。自分の好みなら言えるけど。

過去の直木賞の選評がホームページで公開されている。これをみると、選者によって評価がバラバラなのがよく分かる。読んで感激した本が、選評でボロクソに言われているのをみつけて悲しくなったりするが、結局のところ好みというのはあるわけで。選者が読めていなかったところを私が感じているということだってあるだろうし。


そんなわけで、今のところ私の一押しは『高瀬庄左衛門御留書』。

帯に「山本周五郎」や「藤沢周平」といった先達に連なる」なんて、ずいぶん大げさなことが書いてあると思ったが、読了後には私もそう思っていた。派手なアクションシーンはあまりないが、地方藩に勤める中年男の生き様がしっぽり描かれ、とても沁みる。著者の砂原浩太朗さん、憶えておこう。シリーズ化も想定されているようで楽しみである。

2冊読んだだけなので賞レースの予想でもなんでもないですが。


あ、でも、「直木賞の発表があるので有給休暇を取ります」って、ちょっと言ってみたいかも。