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パズルの師

山下さんのパズルなら間違いない。

浅生鴨さん主催の同人誌『雨は五分後にやんで』に、山下さんのパズルが掲載されていた。これが難しくって、でも、ちょとしたきっかけでジワジワ解けていって、久しぶりにパズルが楽しいと思った。興奮した。

※文庫化にあたって、パズルも新作に変更されている。


パズルは、簡単すぎるとつまらないが、まったくわからないのも面白くない。ふんふん唸りながら、少しずつ解けていくのが、ちょうど良く快感なのである。

ルールは単純で、だけどちょっとヒネリがあって、わずかなヒントしかないけど、その少ないきっかけを丁寧に辿れば解けるようになっている。そういう、難しさと解ける快感のバランスが素晴らしいのが、我が家にとっての山下さんなのだ。

『雨は~』の同人誌版と文庫版の2事例しか経験していないが、我が家での山下さん(のパズル)への信頼度は高い。


山下さんとは、株式会社ほぼ日の社員さんである。同社のサイトやラジオなどの企画でこちらから一方的に「見た」「聞いた」ことがあるだけで、特に知り合いなわけではない。


ほぼ日社のサイトで恒例となっているGW企画に「メールするからメールして」(うろ覚え)がある。メールを送ると、ランダムでほぼ日社の誰かが書いたテキストメールが自動返信されるというものだ。

ほぼ日ファンのツマが、あんたも参加しなさいと言うので、家庭円満のためにここ数年参加してみている。単純だがやってみると意外と楽しい。なによりタダで参加できる企画である。

今年の返信は山下さんだった。おすすめのジグソーパズルが書いてあった。

興奮した。だって、山下さんのパズルなら間違いないだろう。



すぐに発注し、今日の午前中に届いたところである。ジグソーパズルである。我が家では、ジグソーパズルといえばツマだ。1000ピースくらいなら、いつもアッという間に組み上げてしまう。

それが、今回入手したパズルはかなり手強いようだ。


隣の部屋で、ツマが細かいピースをずっと見つめている。私が買ってきたシュークリームには見向きもせず。

ときどき、当てはまるピースが見つかるようだが、ひたすら見つめている時間の方が長い。けど、なんか楽しそうだ。

山下さんのパズルは、すごい。



始めてから、もう5~6時間は経っている。私だって、ツマにそんなに見つめ続けてもらったことはない。

ちょっと、嫉妬している。山下さんに。