乳がんと乳がん死を減らす方法~検診を受けるより大切なこと~ 1.乳がん検診を受けても乳がんは減らない


ポイント
乳がん検診は乳がんを減らさない。

乳がんを減らす行動
この文章を読み真実を知る。

 私がこの文章を書いたきっかけは、NHKの人気番組「ガッテン」(2018年9月5日放送)で、「乳がんで死なないための秘策」として、乳がん検診の特集を見たことです。
 なんでも、今、平成30年10月は、がん検診受診率50%に向けた集中キャンペーン中なのだそうです。
 厚労省が旗を振り、自治体と協力して、日本中、86万人の女性に心理学的に「乳がん検診に行きたくなる」工夫がこらされたハガキが届くのだとか。
 すでにハガキが届いて、どうしようか迷っている人、すでに検診を受けた人、中には、検診の結果、乳がんだと診断されて途方にくれている人もいるでしょう。
 この文章が、少しでもそういう人々の希望になれば嬉しく思います。
  
 この番組を見て私は、
「これは大変だ。また乳がん患者、そして乳がんで亡くなる人が急増する」
 と思いました。
 は?乳がん検診を勧めて乳がん死が増える?
 何をバカなことを!
 ほとんどの人は、そう思われるでしょう。
 天下の厚労省様のキャンペーンやNHK様の人気番組に一医者ごときが何を言うか?と。
 しかし現実なのです。
 もし今回のハガキ作戦が成功して乳がん検診を受ける人が増えれば、乳がん患者も乳がん死者もさらに増加します。
 その理由をこれからお話しします。
 断っておきますが、大好きな立川志の輔師匠をはじめ、番組関係者、乳がん検診プロジェクトに取り組まれる方々には、もちろん悪意など全くなく、本気で取り組まれているのだろうと思いますし、その努力には敬意を表します。
 それでも、いくら
「ガッテンしていただけましたでしょ~か?」
 と言われても、全くガッテンできないこともあるのです。
 この番組の中で語られた乳がんの知識にはいくつもの間違いがあります。
間違い①乳がん検診を受ける人が増えれば乳がん死は減る
間違い②乳がんは早期発見早期治療で95%以上治る
間違い③乳がんの予防は難しい
間違い④乳がんの原因は女性ホルモンである
 これらは、「医学的」には「常識」とされていることですが、「科学的」には全く間違っています。
 それぞれどう間違っているのか、これから説明するとともに、「科学的」に乳がん死を減らす方法、そして乳がんにかかること自体を避ける方法についてお知らせしたいと思います。
 もう一つ断っておきます。
 これからお話しすることは、私が発見したことではありません。
 私は、これまでの様々な人々が研究の結果、科学的に明らかにしたことを、一般の人にもわかりやすいようにまとめて、ご紹介するだけです。
 えらいのは私が引用する研究をしたり統計をまとめてくれた方々であって、私は少しもえらくありません。
 では、早速いきます。
 まず、当たり前のことですが、乳がん検診はすでに発生した乳がんを見つけるだけで、乳がんができるのを防ぐ力はありません。
 
 質問です。
 あなたは、どちらがいいですか?
A 乳がんにかかって様々な治療を受ける
B そもそも乳がんにかからない
 Bを選んだ人には、乳がん検診はそもそも意味がありません。
 それどころか、乳がん検診を受けると、乳がんにかかるリスクは増えます。
 まず、
「疑わしい、乳がんかもしれない」
 で治療を受ける人が増えるからです。
 本当に乳がんのある人が目玉焼きの黄身ほど面積だとしたら、その周辺、白身の広さほどの人がおっぱいを切ることを進められたりするイメージです。
 実際、日本で乳がんで亡くなる女性は1年間に1万4千人ほどであるのに、10万人前後の人が乳がんあるいは乳がん疑いとのことで手術などの治療を受けていると推定されます。(白身でかすぎ?)
 
 本当に乳がんだったらどうする?
 検診で乳がんにかかるのは減らせないのは確かだが、乳がん死は減らせる。
 乳がん検診を勧める人はそういうでしょう。


 いいえ、乳がん検診は乳がん死も減らさないのです。
 次回は、乳がん検診を受ける人がいくら増えても、乳がんで亡くなる人は減らない理由を説明します。

👇につづく



(Facebook 2018年10月29日より)

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