病院を受診したらしてもらうこと2 処置編
新型コロナに関わらず、風邪には治療法がないと言うけど、できることがないわけではもちろんない。
水が飲めない、呼吸が苦しい、意識がおかしい
のいずれかがあって受診したなら、ただクスリをもらって帰ってはいけない。
必要なことをしてもらおう。
1 輸液
病院でしてもらう処置で最も重要なのは、脱水に対する輸液、いわゆる点滴だ。中身はほぼ塩水だ。
生理食塩水(濃い塩水)
VeenF あるいはソルアセトF(酢入り塩水、少しカリウムが入る)
が基本だ。
塩が薄い点滴は、腎不全や心不全の人以外では、脱水の時にはあまり使わない。逆に悪化することもある。
インフルエンザとかの合併症、脱水、肺炎、脳症は、いずれも脱水と塩不足が基礎にある。
ただし、点滴が必要なのはあくまでも「脱水の人」であって、自分で飲める人や酔っ払いや二日酔いが、
「点滴してくれ」
と救急受診するのは、迷惑でしかない。
2 ステロイド・アドレナリンの注射(外来では基本1回だけ)
呼吸困難、喘息、ショック、などを起こしている場合、ストレスに対応するホルモンであるステロイドやアドレナリンを注射する。
本来、自分の副腎から出るはずのホルモンだが、ビタミンDやコレステロール(=ホルモンの材料)が足りない人は不足する。
色白志向(ビタミンD欠乏)
ダイエットで飢餓状態(コレステロールが低い)
砂糖中毒(超肥満)
コレステロール低下薬を飲んでいる
普段からステロイド剤を飲んでいる
慢性ストレスを抱えている
そういう人は、必要になりやすい。
長期連用は避けよう。
顔がむくみ、骨も胃腸も精神もボロボロになる。最初はよく効くので、依存してすぐ使いたくなりやすい。(患者より医者が。)
本来、ビタミンDとコレステロールが十分あれば、ホルモンは自分で作れるのだ。
3 喘息発作への対応
呼吸器感染症の時に、喘息のようになる人は多い。元々喘息と言われてなくても、咳が止まらず、ゼーゼーするなら、ネブライザー(気管支拡張薬、抗アレルギー薬の吸入)をするとかなり楽になる。
4 抗生物質の投与
白血球が上がっていれば、細菌性の肺炎、細菌性の扁桃炎などを疑って、抗生物質を投与した方が治りやすい。軽症例、もともと状態が良い人では、細菌性でも不要なこともある。
ウイルスには全く効かない。有害でさえある。
水が飲めない、息が苦しい、意識がおかしい、のいずれかがあって受診しているなら、点滴での投与になることが多い。
抗生物質を使えば腸内細菌を殺してしまい、後々、様々な病気を増やす。
必要最小限が鉄則だ。
抗生物質を使ったら、必ず発酵食品(味噌)や善玉菌のエサ(食物繊維)をよく食べて腸内フローラを回復させよう。腸内細菌が減ったままだと長期的に免疫が低下したり精神的に不安定になったり、様々な病のリスクが増える。
5 酸素吸入
息が苦しくて血液酸素飽和度が下がっているなら、酸素吸入が必要になる。
こうなればもう入院するしかないだろう。
6 入院
重症者は入院になる。
最近では自分のことができない独居者の入院が多い。
見てくれる人がいることは大切だ。
子どもでは家族にタバコ吸いがいる場合、入院させた方がいいことも多い。
以上、必要なことをしてくれないなら、自分からしてくれと頼もう。
必要ないと言われても構わない。(私はよく言う)
納得できないなら他所へ行こう。(相性もある)
巷では愛想ばかりよくて、クスリを山ほど出す医者が患者に喜ばれがちだ。(うらやましくないぞ!)
しかし必要なのは笑顔でもクスリでもなく、必要な処置なのだ。(←「笑わない医者」ではない)
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