マスクは何をマスクしているのか?2〜『笑えない赤ちゃん』〜


 マスクの身体的な害については以前お話しした。

 マスクの害は身体的な面に留まらない。

 最近、ショッピングモールなどで見かける親子の様子が気にかかる。


 母親はマスクをしている。
 ベビーカーの赤ちゃんはマスクをしていない。

 2才以下のマスクは危険という日本小児科医会の注意呼びかけや、5才以下はマスク不要というWHO・ユニセフの指針が功を奏しているのかもしれない。


 ところが気のせいかもしれないが、その赤ちゃん達の表情が乏しい、あるいは機嫌が悪い子が多いように見えるのだ。

 一般的な発達の指標として、赤ちゃんは生後2ヶ月で笑うことを身につける
 医学部の試験的には『に(2)っこり笑う』と覚える。

 ただしこれは2ヶ月で勝手に笑うようになるのではなく、母親をはじめとした周りの人の表情を真似ることによって笑うことを学ぶのだ。


 母親が無表情である時、子どもはとても不安になることは実験でも確かめられている。

 マスクは母親の表情を覆い隠してしまう。
 それは子どもを不安にさせ、笑顔を学ぶ機会を減らしてしまう
ということだ。

 笑顔だけではない。母親の口の動きは言葉を学ぶためにも重要だ。
 マスクはそれも見えづらく、言葉も聞こえづらくしてしまう。

 もちろん自宅に帰れば母親もマスクを外すのかもしれないが、外で皆がマスクするだけでも子が受けるコミュニケーション刺激は確実に減少してしまう。

 2才以下にとって本人のマスクが身体的に危険なだけでなく、母親や周りの人のマスクも子どもの発達にとって危険かもしれない。

 将来、2020年生まれはコミュニケーション障害が多いなどということになるのではないかと危惧される。

 もし子どもの不機嫌に気づいたら、どうかマスクを外して微笑みかけてあげてほしい。


 マスクは大人のコミュニケーションもマスクする

 マスクによってコミュニケーションが邪魔されるのは赤ちゃんだけではない。

 子どもたちが「コロナ対策」を名目としたコミュニケーション妨害によってストレスを受けていることは数々報告されている。

↑(『学校再開の宣伝ビデオは”悲しみ””ディストピア”(ユートピアの逆の社会)と呼ばれている』こんなこと見過ごせない。子ども時代は破壊された。持続的な酸素不足は健康にも破滅的な悪影響を及ぼす。笑顔もない、ハグもない、友情もないことが魂を破壊する。大人として、この児童虐待を許していいのか?)

 
 人の笑顔は私たちにとって最も重要で基本的な報酬である。
 私たちは人の笑顔が見たいから働き、人に喜んでもらうことで自分も嬉しい生き物だ。

 お金がもらえたとしても誰にも喜んでもらえない仕事は辛いだろう。

 欲しいものは何でも持っていそうな福山雅治さんも『その笑顔が見たい』と歌っている。

 マスクは出会いをマスクする

 相手をその人と認識することを『顔と名前が一致する』と言う。
 顔と名前はその人を知るために必要な最も基本的な情報なのだ。
 マスクをしていては相手の顔と名前が一致することは難しくなる、つまり知り合うことが難しくなるのだ。
 人と人が出会い知り合うことは社会の始まりである。
 知り合うことができなければ恋も愛も信頼も芽生えることはなく、社会は成立しない。

 マスクはキスもできなくする(いろんな意味で)

 物理的にキスできなくするだけではない。
 マスクにウイルスの吸入を防ぐ効果はないことは多くの人が知っている。
 それでもマスクをしている人は、マスクは飛沫が飛ぶのを防ぐから、
「自分が感染者かも知れないから人にうつさないためにマスクしている」
 と言う。(それも間違いなのだが)


 自分が感染者で人にうつすかもしれない、と思っていたら人とキスなどできないだろう。(それ以上のことはもっと無理なはずだ)

 キスの前にいちいちPCRを受ける人もいなかろうし、そもそもPCRで感染者でないことはわからない。

 実際には、街でマスクしている人もほとんど自宅ではマスクを外す。
 本当にマスクが人にうつさないために有効で自分が感染者かもしれないと思っているなら、家族にうつさないように家でこそマスクをするはずだ。

 ところが家族など親しい人の前でマスクを外すのだから、口では「人にうつさないため」とか「マナー」とか言っておきながら、実は自分が感染したくないから(理屈では効果ないとわかっているのに)外でマスクしているのだ。(いい人ぶっておきながらなんと不誠実なことだろう)

 マスクした人の口は臭くなる。
 マスクは口呼吸になりやすく、マスク内の汚れた空気を繰り返し口で出し入れすることになるからだ。
 蒸れたブーツの中が臭くなるように、マスクした人の口内でも雑菌が増える。
 口の周りもヌラヌラする。(汚くなることをマナーと呼べるか?)

 物理的・心理的・臭い的に、マスクはキスを困難にするのだ。

 マスクは恋愛をマスクする

 出会いとキスが難しくなっては、恋愛が難しくなるのは当然だろう。
 そもそも顔も見たことがない人と恋に落ちるか?
 村のおばあさんに話を聞くと、昔は親が決めた人と結婚して結婚式で初めて顔を見たということも珍しくなかったそうだ。
「あんまりいい男でびっくりした」
 と言うのがお決まりのジョークだそうだ。
 今でもイスラム教などでは女性は結婚するまで顔を見せない宗派もあるそうだ。
 だからそれで恋愛が成り立たないわけではないかもしれないが、現代日本人でそれでいいと言う人はあまり多くないと思う。

 マスクは信頼をマスクする

 恋愛だけではない。仕事においても商談においても、ずっとマスクした相手を信頼できるか?
 かく言う私はほぼずっとマスクしているナースたちと仕事している。特に手術室のナースたちはメイク上手のマスク美人が多い気がする。
 若い頃はけっこう騙されたが、もう通用しない。
 いやナースたちの仕事は信頼しているが、マスクを取って街で会ったらほぼ確実に誰かわからない自信がある。

 マスクは治安をマスクする

 マスクは相手が誰かわかりにくくする。ネット上では匿名による誹謗中傷が飛び交うように、自分が特定されにくいと平気でひどいことをする者は少なくない
 以前はマスクと帽子で顔を隠しているのは犯罪者か芸能人くらいだったが、今は割と普通になってしまって誰が怪しいのかわからない。

 マスクは民主主義をマスクする

 武田邦彦先生によると、大衆の特徴は『匿名・無責任・付和雷同』であり、貴族の特徴は『名乗る・責任を取る・独自性』だそうだ。


 マスクによって顔を隠すことは、匿名化と無責任につながり、独自性を喪失させる。
 大衆化した社会はデマや扇動に容易に乗ってしまいさらに大衆化する悪循環に陥る。
 民主主義は主権者たる国民の自由さと多様性に基づく賢い選択がその基礎であるが、無責任で付和雷同する者ばかりになってはもはや衆愚政治と言わざるを得ない。
 マスクをして顔を隠し目先の票・目先の金のことしか考えない政治家とそれを選ぶ選挙民では国は良くなりようがない。


 隣の共産国家ではマスクを大量に作って売ってはいるが、多くの場所でもうしていないらしい。

 私はこれを見て「自分の商品でハイになるな」という麻薬売人の言葉とスティーブ・ジョブスが子どもにiPadを与えなかったというエピソードを思い出した。

 武漢の医療従事者がマスクを外す動画は鮮烈であった。それほどマスクはコロナ禍の象徴なのだ。

 はじめ大きな被害を出しながらとっくにPCRをやめ平常運転に戻った中国と、実質被害はないに等しいのに官民挙げてコロナ禍水増しを続ける日本。

画像1

画像2

 かつて一様に人民服を着ていた人々が今は素顔で生活しているのに、日本人がマスクで顔を覆ってPCRに集い陽性者をいじめているのは何たることか。

 今頃、彼の国ではマスクで熱中症死している日本を笑っているかもしれない。

 赤ちゃんの笑顔から国の独立まで、未来を守るためにはまずマスクを外すことからと考える。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?