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【衆院選・沖縄3区】自公に惜敗した立民ヤラ陣営。地道な運動否定する与党側の印象操作

名護市在住 稲垣絹代

 衆議院選挙に先だつ8月17日。来年1月23日投開票の名護市長選挙に向けて、名護市議の岸本洋平さんが「主義主張を乗り越えて、誇りある豊かな名護市を築いていく」と力強く立候補表明をした。8月末には、沖縄3区衆議院選候補者の立憲民主党公認・屋良智弘(ヤラともひろ)さんの選挙事務所名護支部をかねて事務所開きが行われ、2人セットの選挙戦が実質的に始まった。
 週1回の島ぐるみ選対会議では、2人の後援会のチラシを配布するために、市議県議の後援会、地区労、ヘリ基地反対協、名護島ぐるみ会員を中心に担当地区が決められた。また、名護市内15カ所以上の朝のスタンディングが始められ、私も家の近くで週1回、近所の支援者5人と一緒に宣伝活動を継続した。「政権交代」と「ヤラともひろ」の幟を私の車に積み、ヤラさんの応援に駆け付けた玉城知事、辻元清美さん、森ゆうこさん達の街宣時などでも翻した。
 公示前のチラシ配布、選挙期間中は法定ビラを5人の仲間と共に各戸配布して回り、宣伝用ポスターも電柱に20枚貼りだした。仕事のない日や夜には、事務所でチラシの封筒詰め作業や支援者への電話かけを行った。街宣車の運転手が足りなくて、知人にお願いしたが、まだ名護の地理がわからない人だったので、道案内と宣伝カーからの喋りも3回もやることになった。一緒に行動した仲間は、辺野古、安和、塩川での抗議行動に連日参加する人も多く、選挙の応援態勢を共有するために毎日連絡し合った。
 ヤラ候補は、「沖縄の県民所得は今もって全国最低。国主導の公共工事が行われても利益のほとんどを本土の大企業に持っていかれ、沖縄の企業は残りを分け合っているだけ。もうこれ以上我慢できない。政権交代によって基地問題、経済の問題を解決し、沖縄のことはウチナンチューで決めるという想いで政権交代を実現し、沖縄の想いを全国民に知らせよう。辺野古の海をつぶし行われている新基地建設費用2兆5千5百億円は、沖縄振興予算の10年分。子どもたちの夢と希望をかなえるため、自公政権を退陣させ今の状況を変えよう。沖縄の経済を自立経済に変えよう」と訴えた。

ーー自公、総力で利益誘導


 島尻あい子・自公候補は、国との強いパイプを強調し、経済のV字回復、子供の貧困対策を強調していた。最初から激戦と言われていたが、残念ながら我々は7千票差で敗れた。しかし国に依存した経済では、沖縄の本当の幸福にはつながらないだろう。
 「名護方式」といわれる相手方の汚い選挙が、今回も行われた。企業を締め付け、菅前総理が3区の沖縄市で街頭演説した20日、400人以上の企業の社員家族が動員され、終了後にはそのまま期日前投票所に誘導されていった。23日には小渕優子衆院議員も応援に来ていた。
 公示前には公明党が、佐藤優さんと姜尚中さんにインタビューした内容を利用し、顔写真入りの「安定の自公か、混乱の立共か」という野党共闘を攻撃するチラシを、辺野古容認派の地区にだけまいたり、投票3日前にはヤラさんを誹謗中傷する怪文書も出回った。
 私たちは若者、高校生向けにヤラさんの簡単な宣伝と、選挙に行こうというチラシを作成し、3カ所の高校前で配布し、若者の投票行動への働きかけを行ったが、若者の棄権が全体の投票率の低さに今回も現れていると強く感じた。
 衆議院選挙は終わったが、名護市長選挙(1月23日投開票)までもう2カ月半しかない。態勢を立て直し、岸本洋平さんに辺野古新基地反対を訴えてもらい、自公政権の言いなりになってウチナンチューの誇りを棄て去った現名護市長から、名護市をとりもどしたい。
 ヤラさんの選挙の反省から、スタンディングや街頭演説だけでなく人々の声なき声をもっと聴きとる努力をしていこうと、今週から個別訪問も始めている。辺野古や安和や塩川の現場にも多くの人々に参加してほしい。
 名護市長選挙は、現場闘争の盛り上がりがなければ勝てない。県内外の皆さんと共に、名護市長選挙を闘い抜きたい。

写真:屋良智弘氏 公式Twitterより


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