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【記者日記】万人坑に関する講演会に参加

                   かわすみかずみ


3月30日に国労会館で行われた万人坑に関する講演会に参加しました。
「万人坑」とは第二次世界大戦中に、中国国内で強制労働させられ、亡くなった人々を葬った場所のことです。
 講演者の青木茂さんは、日中友好協会などに在籍し、中国にある万人坑を見てきました。著書も多く、万人坑の実態を伝え、戦争で被害に遭った人々のことを調べています。
 日本国内での中国人強制連行は約4万人だそうですが、中国国内では4千万人とも言われています。しかし、その実態も日本では知らされず、中国政府もあまり公にしていません。中国国内でこれらに関する裁判もあったようですが、裁判所は受理しなかったと青木さんは言います。
 万人坑は①炭鉱労働などで過酷な労働の末亡くなった人を葬ったもの②飛行場や鉄道などの建設の犠牲者③日本軍による虐殺の犠牲者を葬ったものなどがあります。
 青木さんが実際に見た遺体には、生きたまま埋められたもので苦悶の表情を浮かべるものや、手足を縛られた状態で埋められた遺体もあったそうです。
 炭鉱などで労働中に事故に遭ったり、体調が悪化して働けなくなった人たちは、胸に重い石を落とされて絶命させられたり、手足を縛ってそのまま埋められたということもわかっています。
 最初は埋葬する場所を作っていましたが、穴を掘る力もなくなってきた人々は、深い谷などにまとめて遺体を投げ込んだりしたそうです。
埋葬用の穴を掘ったり、現場で強制労働者を見張るのは中国人でした。
 同じ中国人同士で差別を行わねばならなかったことも悲劇でした。
中国には、まだ発掘されていない万人坑が数多くあるそうです。
 これらの歴史を研究する研究者はほとんどおらず、青木さんは自身で資料をあたり、情報を集めています。
 私たちはこういう歴史を見つめて、戦争をしないこと、させないことを胸に刻む必要があると思いました。
 

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