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【「バイバイ原発3・9きょうと」集会報告】脱原発求めて1,100人が参加

編集部 朴偕泰

 骨まで沁みる寒さに震える日に、バイバイ原発3・9きょうとは開催された。3月11日前後の日程で毎年開催している、脱原発を求める集会だ。1100人もの市民が円山公園音楽堂に集い、集会と京都市役所までのデモ行進を行った。私は実行委メンバーとして参加し、当日は司会もさせていただいた。
 メイン講演はお笑い芸人のおしどりマコ・ケンさん。原発事故後、東電の記者会見に参加するなどジャーナリストとしても活発に活動している。「どうもー!」とハイテンションで登場し、一気に会場の全員の心を掴んでいった。
 始めに、戦時中の翼賛体制状態だった芸能界の話をした。漫才師の海原一門の祖である「海原お浜・小浜」は、最初はハッピー姉妹として結成。しかし、戦前・戦時中の敵性語(カタカナ)忌避の風潮により、「愛国お浜・小浜」に改名。後に「海原」へ落ち着くこととなった。
 話は現代のおしどりさんに戻り、某テレビ番組のプロデューサーから自身に言われた「原発問題をやり続けるならテレビには出さない」という言葉を挙げ、現代はもはや戦時体制下にあると指摘した。
 戦争当時のことを師匠筋にあたる夢路いとしさんに聞いたところ、「国策ではなく人を笑わせることをどんな時もやること」と言われ、真実を明らかにしようと記者会見に出席するようになったことを語った。会場からは熱い拍手が起きた。
 次に、ドイツへ訪問して現地の高校生と交流した際に、質問が殺到して驚いたことも語った。教師からは、「日本人が来る」ということしか伝えられていなかったにもかかわらず、予習として東電の外国向け発表資料などを読み込んできた生徒も一定数いたという。ある生徒は、「僕は原発の非常用電源が壊れたのは津波ではなく地震だと思う」と鋭い質問を飛ばしてきた。

韓国・大学生団体からのメッセージ

 集会の後半では、「バイバイ原発大学生有志」によるアピールも行われた。大学生有志は私が中心になって動いていたグループで、一月中旬にはプレ企画を京都大学で開催した。
 最初は、気候変動問題に取り組むFFFメンバーで、大学一年生の女性から発言をいただいた。元旦の能登地震発生の報道を見た際に、石川県に住んでいる祖父母に原発の影響がないか心配したという話や、気候変動対策を求めるスタンディングをした際に、通行人と原発が地球温暖化を加速させていると話して思いが一致した体験を語った。
 立命館大学学生の男性からは、韓国の汚染水放出に反対する大学生団体からの連帯メッセージの読み上げを行っていただいた。「進歩大学生ネット」といって、昨年8月の放出開始日当日に日本大使館前で抗議し、団体の学生・青年16人が逮捕された。
 私はこの報道を見た時に、何よりも「申し訳ない」と思った。本来であれば日本に住む私たちが抗議し、止めなければいけない悪行だった。ぜひとも彼/彼女らの思いを集会参加者に聞いてほしいと思い、私から連帯メッセージを依頼した。私たちよりもはるかに戦闘的に取り組む同世代の仲間たちに、恥ずかしくない運動を展開していかなければならないと思った。
 集会後のデモも大いに盛り上がった。私は最後部でTHE BLUE HEARTSの「TRAIN-TRAIN」を流したりコールをして、友人と歩いた。共に一日も早い脱原発を目指そう。

韓国「進歩大学生ネット」の連帯メッセージ はこちらから!


京都市役所までデモ行進
おしどりマコ(右)さん・ケンさん(左)

(人民新聞 3月20日号掲載)

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