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ドイツ/コロナ禍を受けた 市民の地域連帯と要求(ドイツ・ベルリン在住 N)

 ドイツの状況は、2人以上で集まるのは禁止のため、表立っては集会などは行われていないようです。アナキスト系の人々が地域ごとにコレクティブを組織して、テレグラム上で相互扶助のチャットグループを作っています。
 買い物支援や野宿者のために食べ物を路上のフェンスに結びつけて置いておく取り組みもあります。家賃ストライキが呼びかけられたり、ユニバーサル・ベーシック・インカム導入の請願なども行われています。
 議席を伸ばしているDie Links(左翼党)は、集会禁止など基本的人権を制限する措置には懸念を表明しています。ただ、外出規制への反対には力点を置いていません。アナキスト系のグループも催しなどは停止しています(やったら弾圧される)。その分、近所に次のようなチラシが張ってありました(写真)。
1.緊急でない労働の停止と賃金支払い、職場締め出しや解雇に反対、衛生的で安全な職場を
2.学校・託児所の閉鎖により、育児のために休職せざるをえない保護者へ病休の拡張を
3.移民の強制送還、排除の停止
4.医療労働者とその要求に連帯
5.緊急事態による規制ではなく公衆教育を。集会、移動と表現の自由の尊重。人権と個人情報の保護を
6.安全な避難所と医療をすべての人に。とくに難民、野宿者、家庭内暴力被害を受けている女性に対して
7.医療資材とワクチン(開発できたら)を必要な国に供給し、国際支援を行え
 メルケル首相も、感染症対策を指揮しているロベルト・コッホ研究所もそれなりによくやっているので、ドイツでは政権打倒という主張にはなっていません。
 しかし日本は、労働者への補償、検査体制、医療関係者を守るといった対策方針そのものが悲惨です。日本でも、医療従事者を守れという主張を積極的に訴えたほうがいいと思います。人を増やせ、手当を出せ、防護装備を供給しろと。本来は、大きな労組などがしっかり要求するべきでしょう。
 日本のコロナ対策の核にある「三密」論にも疑問があります。「三密」は日本のクラスター対策班が言い出したことで、海外では誰も言っていません。実際は「三密」以外でも感染は広がっている可能性が高いので、世界基準で「2m距離を開ければ防げる」という表現がよいと思います。
 街頭行動や会議の際なども、屋内外をとわず2mは間隔を開けたほうがいいと思います。マスクはすでに感染している人が飛沫を広げない役には立ちますが、外からの感染を防ぐ機能はそれほどありません。サージカルマスクをつけていても、2m以内にいる人がせきやくしゃみをした場合には、感染する可能性があります。また飛沫が目に入ったり、ウイルスがついている表面を触った手から目や口を介して感染します。

ドイツのコロナ要求チラシ

▲街に貼られたコロナ対策の要求チラシ

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