見出し画像

グローバル 企業/コロナウイルス感染対策 暴利貪る億万長者

 米国のシンクタンク「政策研究所(IPS)」によると、新型コロナの大流行で、米国の超富裕層は、23日間で純資産が2830億㌦(約30兆円)も急増したという。
 アマゾンの創業者=ジェフ・ベゾス氏の資産は、4月15日の時点で今年1月1日に比べて250億㌦(2兆6800億円)増加。他にも、電気自動車メーカーのマスクCEO、ズーム創業者のユアンCEOら、米国で最も裕福な34人のうちの8人を「パンデミック・プロフィティアーズ」(感染症拡大で暴利を貪る者)と命名・公表した。
 目を日本に転じると、コロナパンデミックによる経済活動の停滞で、失業が蔓延。飲食業の営業自粛もあって家賃支払い不能になるほど追い詰められている商店も多い。上場企業の大幅な営業利益下方修正も報じられた。
 しかし、日本の上場企業の社内留保=463兆円(2018年度)も忘れてはならない事実だ。実に日本の国家予算の4年分だ。トヨタは日本企業で最大の20兆円にも及ぶ内部留保金を保有している。企業の「内部留保」については、さまざまな定義と計算法があるが、リーマンショックの前後から増え始め、アベノミクスで勢いを増した。一方、この20年間でサラリーマンの実質賃金が下がっているのは、先進国では日本だけだ。企業の内部留保金が積みあがったのは、この賃下げが大きな要因であり、サラリーマンが受け取るべきお金を、企業が内部にため込んだと考えていいだろう。
 危機が叫ばれるなか、「パンデミック・プロフィティアーズ」や上場企業の内部留保金についての報道は、浅見にしてあまり聞かない。「今だけ、金だけ、自分だけ」には、いずれ歴史的審判がくだされる。企業の社会的責任が問われている。
(編集部・山田)

【お願い】人民新聞は広告に頼らず新聞を運営しています。ですから、みなさまからのサポートが欠かせません。よりよい紙面づくりのために、100円からご協力お願いします。