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近況報告(オチつき)

 お久しぶりです。気がつけばもう梅雨入りも果たし六月の最終週です。週二回更新はどうしたと言われたらぐうの音も出ませんが、占いによれば今年のわたしは、自分の興味があることを自分のペースで進めていくのが最もよいということなので、気にせず参ります。(そして無秩序へ……?)

 (まだ完全には終わってませんが)六月を振り返ってみますと
第一週:細菌性胃腸炎になり(人生初)、
第二週:琵琶を修理に出し(人生初)バリカンで頭を刈り(人生初)
第三週:仕事に使うバイクのパーツを盗まれ(人生初)水無月を食べ(人生初)
第四週:脊椎麻酔で手術を受け(人生初)書いたものが売れて(人生二回目)琵琶が帰ってくる
 という
 なんやこれ
 盛りだくさんすぎで一年分のイベント一ヶ月に濃縮されてる感じなのをお察しください。
 正確には琵琶が帰ってくるのは今週末です。しかし何かと賑々しい一ヶ月であることは伝わるかと。
 やることいっぱいあると楽しいですね。(ポジティブ思考)

 まあわたしの私生活はどうでもよくて、琵琶ですよ琵琶。
 修理に出しました。
 と申しますのも、買って撫で回して爪弾いて満足してたのですが、やっぱちゃんと弾きてえなあという思いが募りまして。まあそれはそうですね。おもちゃがあったら遊びたくなるのが人情というもの。
 しかしチューニング法も分からず、というか琵琶にも何種類か区別があるのですが、そのうちのどれなのかもよく分からん有様で(よくそんなもん買ったな)、楽器の状態の善し悪しも分かってないわけです。胴がきれいなのは素人目にも分かりますが。なんか柱(ギターで言うフレット)が斜めになるまで擦り減っとるがこれはいいのか。弦を巻き取る部分(三味線で言う天神)がやたらゆるいのときついのがあるような気もするが気のせいか。何も分かりません。琵琶の本を図書館で探してみても、歴史的経緯ぐらいしか分からない。弾法とか鑑賞法とかについての解説本がない。
 こういう状況で素人が考えても無駄だな、とさとり、ヨシ詳しい人に聞こう、というわけで琵琶を直してくれる人を探しました。
 日本に三人しか琵琶を直せる人はいないそうです。悲しいですね。
 お一人は東京、お一人は埼玉、お一人は福岡におられます。
 福岡の修理人さんへメールを送って問い合わせました。
 ドリアーノ・スリスさんという方です。イタリアのサルデーニャご出身なのに日本で琵琶の修理をなさっている方で(琵琶なのにロックを感じますね)無形文化財指定保持者という字面の厳つい肩書きをお持ちの方なのですが、問い合わせのメールを送ったらカジュアルに携帯から電話がかかってきてビビりました。
 それでお話するには、実物を見てみんことには何とも言えんよねということで(それはそう)美人さんを梱包材で丁寧に包み、買ったとき送られてきた箱そのまま再利用して送りました。段ボール箱とか紙袋とかを一定期間とっておく変な癖が役に立ちました。このときなぜか梱包材を無駄に2パックも買ってしまい、現在、狭い部屋のスペースを占領しています。かさばる。まあかさばらせて隙間を埋めるものなのでしかたない。
 そうしてまた電話です。電話が苦手なのでこの辺は大変つらいものがありました。電話をかけるのが嫌いでかかってくるのはもっと嫌いなのですが、まあ琵琶のことなので我慢我慢。
 丁寧にビデオ通話で実際の様子を見せながら解説してくださったスリスさんによりますと。
・筑前琵琶を盲僧琵琶っぽく改造したもの
・柱の立て方がめちゃくちゃ
・糸巻きは三味線のやつなので合ってない
・覆手(ふくじゅ、ギターで言うブリッジ。弦を結びつけるとこ)を支える銀杏柱というものが雑い
・そのほか飾りとか細々と欠けてるものがある
「糸巻きと柱と銀杏柱、この三つを直せば、まあ音は鳴るでしょう」
とのことで。
 事前にメールで「基本的なことを教えてほしい」「弾けるようになりたい」「壊れているところがあれば直してほしい」とお伝えしていたので、ヨッシャお願いしますと見積もりの値段を聞く前にGOサインを出しました。望みのものをば得んときに幾ばくの銭をば惜しむべき。スリスさんはちょっと笑っておられたようです。
 種類を教えてくださるときに、コツコツと胴を叩きながら「良い木を使ってますね。盲僧琵琶だったらね、もっとテキトウな木です」とおっしゃってたのが面白かった。(盲僧琵琶とは九州で活動していたその名の通り盲人の琵琶法師たちが使っていた琵琶。持ち運びに便利がよいように、ほっそりとしていて小さく軽いので、たぶん桑のような硬いが重たい木は使われないのでしょう)
 爽やかな気持ちで通話を終え、時間は一ヶ月を見ればよいということだったので、さあ気張って修理費稼ぐかぁ、あの美人のためなら追加労働ぐらい安いもの、と思っていたら次の十日で。
・仕事で使うバイクのバッテリーを盗まれる
・定期通院で腫瘍が見つかり即入院と手術が決まる
・上記二つにより仕事ができない
 おお天よ……マジかよ……
 とりあえず市役所に行って低所得者用の医療費安くする制度の申請をしましたが、バイクに行政から補助は出ません。
 万事休すにも程がある。
 いやまあしかし、なんかできることはあるだろとバイト探しをしていたらまた電話。
スリスさんです。
「早くできました。来週から忙しいので」
あらそうでしたか、うれしうございます。
「どうせだから細かいところも全部直しました」
三カ所だけ違うんかーい(心の声)、でもありがとうございます。
「請求書を同封します」
じゃあ(明日から入院して家にいないので)月末の土曜に届くようにお願いします。ありがとうございました……。
グッドニュース:美人さんは早く帰ってくるよ、やったね。
バッドニュース:猶予が消えた。

 しかしまあ家で悩んでてもしゃーないので目の前のやるべきことに一つ一つ対処していこう。

 そしてその翌日、入院し。
 手術をし。
 ベッドで麻酔が切れるのを待ち。
 そして今まだじゃっかん尻が痺れているのですが、麻酔を抜くために意味も無くうろうろし。
 そして夕食タイム

おいしそう

箸がない

しょうもないピンチが多すぎる

これがわたしの人生か

日光と水と土とあなたの100円で、花が咲くかもしれません。