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日本人が台湾でMBA(英語)と中国語(語学)を同時に学ぶときの注意点

雑談から。3才の娘が英語の学校に行きたいと言っていて、台北アメリカンスクール、授業料ザックリ年間100万元(約460万円)+@ x子供2人とか無理だな~と溜息だったりしますが、タイであればインター100万円くらいからあるから狙いめだなとか思ってます。(台湾の教育事情)

僕自身は現在中国語の勉強をしていませんが、2014年から1年間台湾の語学学校に通い中国語を学び中級者程度には運用できます。
ですが、欧米企業勤務なので仕事では全て英語で押し通しています。というのも、中途半端に中国語を話そうもんなら台湾人の同僚たちは当然中国語で話を進めてくるので、中級程度の運用能力では職場で劣等生になってしまうからです。

お互い第二言語としての英語であれば対等、もしくは主導権握れる。うちの会社って仮にもグローバルカンパニーなんだよね?なんで英語じゃないの?といわんばかりにポジショニングとってます。(←我ながら嫌なやつだなと思いつつも、日本で働く外国人の気持ちもわかったり)

なので会社では中国語がわからないフリをすることが多いですが、欧米系企業の台湾人社員といえど、英語の運用能力に個人差はかなりあってどうしても中国語ができないと文字通り話にならない場面もあります。

ここ数年は仕事が立て込んでたりMBA(英語)とか子育てとかあって、忙しさを言い訳に「中国語は今の自分にはいらん」と言い聞かせてきましたが、やっぱり中国語できたらいいよなってのは本音です。もう少し落ち着いたらまた中国語の勉強再開しようかな。。

普通の日本人が英語でMBAやりながらゼロから中国語も同時に勉強するのはまるっきりお勧めしない

国立台湾大学では全ての留学生に1年間(2学期分)中国語の語学の授業を無料で提供しています。

国立台湾大学だけでなく、台湾の多くの他の大学も留学生向けに中国語の授業を提供していて、留学エージェントは「台湾なら英語と中国語を同時に学べる」とサラッと売り文句にしていたりします

想定はフルタイム1.5年~2年、英語ビジネス程度、中国語ゼロ。
「天才ならできるかもね。でも普通の人はバックグラウンドなしでゼロからのスタートだと無理ですよ」というのが中の人の感想です。

まず、たかが英語ビジネスレベルの人にとって英語でMBAってだけでかなり重いのにゼロから中国語やったらどっちも身につかない。英語ネイティブの集団に英語ビジネスレベルの人が入ったらは間違いなく英語が下手な分類になります。MBAは英語を学ぶところではないので、英語ビジネスレベルだとその時点でかなりのハンディキャップとなります。繰り返しますが、英語ビジネスレベルは英語下手であることの証明でしかありません。

そんなハンディキャップを負った状態で中国語も同時に勉強するのはいばらの道です。

例外
①経営学部・商学部等のビジネス系卒であるか、マネジメントの実務経験があればメインであるMBAの重さが軽減されるからいける、かも。

②中国語の基礎が既にあればブラッシュアップってことで中国語の授業とってもいける。

③長期戦略ならいける。中国語ゼロから中級/ビジネスくらいを目標に、MBAフルタイムの学生なら2.5~3年くらいなら妥当な印象。

④台湾大学GMBAでは無理ゲーに近いと感じるが、他の大学のMBAなら中国語も一緒にいけるかも。ビジネススクール本体の宿題の量が少ないところであればいけるかも。GMBAディレクター曰く、台湾大学の看板背負っているのでこなす分量も台湾でトップでないといけないらしい。

台湾大学の留学生の過半数は入学前から中国語の基礎があります。欧米系の学生でもかなりの中国語運用能力がある状態で入学してきて中国語の授業をブラッシュアップとしていることが多く、フィリピン、インドネシア等東南アジアから来ている学生は華僑なのに中国語の授業とっていることが多いです。

タイムリミットが2年であると決まっている場合の最良の手順

上記のようにメインであるMBAをしっかりやりながら、中国語を入学と同時にゼロからやろうとするのはかなりキツイが天才ならいけると思う。当校は天才もちょいちょい混ざっているのでできる人はできるだろう。

それでも僕のような一般人が仮に2年間というタイムリミットがあって、MBAをメインとしながら中国語をゼロから運用可能レベルまでもっていくのであれば、1学期目は中国語の授業で埋めて、MBAの授業は1,2コマのみに留める。しかもMBAの授業は重い系の授業ではなく、チームビルディング系のものだけにする。

1学期目が一番慣れないといけないものが集中している。台湾生活面での環境、学校のシステム、学校の外での中国語、同級生達の特性・性格の把握など。1学期目は中国語の授業でかためて、基礎の基礎をつくればあとは残りの滞在期間の学校の外の環境で慣らす。2学期目から中国語の授業は捨ててMBAの単位を取りに行く。

入国前に一週間だけでもいいので集中して血反吐吐くほどピンインの発声練習しておくこと。YouTube見ながら大声で発声練習するのをお勧めする。

「中国語」=「北京語」表記をよく見かけるが、ほぼ認識が間違っていること

日本であれば東京一極集中というある意味特殊マーケットで、東京が首都であり、政治の中心地であり、情報発信地であり、最大のビジネスの中心地であり、そして最大の人口規模なのであるが、日本国外をみると必ずしもそうではない。アメリカの首都はニューヨークではなくワシントンDCで、オーストラリアの首都はシドニーではなくキャンベラで、ニュージーランドの首都はオークランドではなくウェリントンである。いずれも人口規模、経済規模でいうと地方の中堅都市レベルです。

中国における北京は首都であり、大都市で、政治の中心地ではあるものの、ビジネスと人口規模においては上海が最大都市で、流行の発信地でもある。そして香港が名高い国際金融都市として長年にわたって発展・経済を牽引してきた。

つまりは「北京語」は「北京弁」って意味なので、北京と関係ない中国語話者からすると、「いや、北京弁は話していないし」という感覚なのです。

もちろん、北京もしくはその近郊の中国人は「北京語」に誇りを持っているでしょうし、北京語=中国語の標準語であるという自負しているでしょう。でもその外からみると必ずしもそうではなく、むしろ「訛っている」という烙印が押されるくらいです。

台湾での中国語の扱いと呼び方の議論

ここでは日本人に対して日本語で説明するために便宜上「中国語」といっているが、基本的に台湾人に対しては「中国話(Zhōngguó huà)」とか「北京話(Běijīng huà)」とは言わない。中華人民共和国ではないからだ。

中華人民共和国の中国語と台湾の中国語は言語的には同じで、東京弁と関西弁の関係に例えることもできるが、それよりもう少し違いがある印象だ。発音や、言い回し、文字に多少(ときに大きな)違いがある。

台湾では国民党寄りもしくは国民党教育に染まった人が「國語Guóyǔ」と言う傾向があるが、反国民党か中立派は「中文Zhōngwén」を使う傾向がうかがえる。外国人が話す中国語という意味を含んで「華語Huáyǔ」ということもあると思う。(外れたらスイマセン。) 

「中文」は中華人民共和国では書き言葉で、口語では違和感があるようだが、台湾では「中文」は書き言葉も口語も使える。なんていうかは相手に合わせればいいと思うが、個人的には「中文」で押している。

外国人に中国語を教える際にその他の中華圏と区別するように「台湾華語」と呼ぶように啓蒙活動している語学学校もあるが、上記の通り台湾内で分裂していることからあまり浸透していない印象。

中国語とりあえずこれだけは押さえとけの項目

ちょっと台湾で中国語勉強したくなった

「ちょっと台湾で中国語勉強したくなった」は教科書の内容が日本語で解説されていて最強です。(語学学校行っているときに欲しかった)

ボポモフォ v.s. ピンイン

文字の発音表記、入力方法ですが、ボポモフォ(注音/ㄅㄆㄇㄈ←こんなん)とピンイン(拼音/アルファベット表記)効率をとるならこれは迷わずピンインを選びましょう。
ボポモフォは趣味で台湾を極めたい場合以外はあまりメリットがないと思います。

ピンインの読み方、発音方法

まずは1週間集中的に一日8時間、頬の筋肉がひきつり喉が枯れ果て血反吐吐くまで発音練習してください。そうすればどうにかなるはずです。

中国語の発音は409あります。英語ができる人はその半分は練習しなくとも発音できるそうです。

英語の発音がローマ字の読み方と異なる部分が多いことは有名ですが、(例:Autoアウト/オート)、ピンインも英語発音ともローマ字発音とも異なります。

ピンイン表記の法則を少し
①ピンインの「c」は英語の「ts」(≒つ)に置き換える
②ピンインの「Zi, Zhi, Chi, Ci, Shi, Si」などの最後についてる「i」部分を無視して発音する。
つまり「Si」だったらTakesの「s」発音、
「Shi」だったらSmashの「sh」の発音、
「Zi」だったらB'zの「Z≒ズ」の発音(例がおかしいか)

発音について、もうひとつ注意すべきは
①中国語の語学学校の先生の発音、②学校の外の台湾人の発音が異なることだ。
学校の先生は台湾人といえど、外国人に中国語を教えるために発音矯正トレーニングを積んでいるが、学校の外では違うこと。
②をさらに分解すると台湾人でも1.中国語が母語の人の中国語、2.台湾語が母語の人の中国語で発音が異なる。少数言語も加えればさらに細分化される。

台湾の固有名詞のピンイン表記はウェード式等が混ざっているので注意

台湾では上記のピンインとは別の表記システム「ウェード式」や原住民の言葉を語源としているものが混在していて、地名や人名に多用されている。
高雄 Kaohsiungは「カオシュン」と読みたくなるが「オシン」と発音する、台北Taipeiもタイイと発音する、基隆 Keelungも「キールン」ではなく「ジーロン」と中国語では発音するが、最近は英語名としてそれぞれ定着してきた。

お勧めYouTube

YouTubeは好きなドラマや番組があればなんでもいいですが、中級者以上は上記をお勧めします。どちらも中国語が流暢な外国人がゲストとなって話しています。台湾人の中国語は速度が早いことに加え、高度な単語、捻った言い回し、スラングが頻出します。中国語が上手い外国人のほうが教科書に沿ったわかり易い中国語を話す傾向なのでまずはここを押さえたほうがお勧め。YouTubeなら字幕あり、いつでも停めて巻き戻せるし、楽しいし、無料です。

あと

中国語の基本情報でなにかあれば追加・修正するかもです。
言語を習得するのは一定レベルはそこまで難しくないと思います。どこを目標にするかですが、ゼロから始めても簡単なやりとりくらいであれば3ヵ月くらいで行けると思います。中級なら6半年~1年。上級なら1年~2年が目安かと。

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