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D&Dリプレイ 竜の島ストームレック - マリウスの日誌(2)

概要

D&D 梅しゃんDM「竜の島ストームレック」第2回セッション、マリウス視点のリプレイです。D&Dスターターセット「竜の島ストームレック」のネタバレを含みます。ご注意ください。

難破船コンパス・ローズ号

早朝、目が覚めた。硬いベッドで体が痛む。波の音が心地いい。
ストームレックでの二日目。

今日は難破船コンパス・ローズ号の調査へと向かう。その海域では航行中の船が行方不明になるなど異変が起きているという。気味が悪い。気乗りはしないが皆に付き合うことにする。

難破船は古いものでひどく傷んでいる。絶対ヌメヌメしているので触りたくない。元海賊のシュランは嬉々として乗り込んでしまった。仕方なく後を追って縄ばしごをのぼる。ヌメヌメしている。

甲板も傷みが激しく、ところどころ穴が開いている。床に染みついた血痕が船の経年劣化に比べて新しい気がするが気のせいだろう。船室をひとつずつ調査することに。

ケイネスはディテクト・マジックで慎重に調査を進めている。彼のような男には安心してまかせておける。船は汚らしいが風は心地よい。いい天気だ。このまま帰りたい。

建てつけの悪い扉があったが、シュランは嬉々としてぶち壊した。板が割れる大きな音が響く。子どものように無邪気に笑う嵐のような彼女は少しまぶしく見える。

シュランは次の扉も大胆に開けて飛び込んだが短い罵りに続いて「ゾンビだよ!」と叫んだ。狭いところで戦闘になったようだ。入り口からはドラゴンボーンの背中しか見えない。すき間を狙ってファイア・ボルトで攻撃するが手ごたえがない。しばらくすると戦闘の音がやんだ。何やらごそごそやっていたようだが、いくらか金目のものが見つかったようだ。

他の部屋は寝室と食堂だった。寝室では罠と金貨があったようだ。部屋から出てきたシュランのポケットが明らかに膨らんでいる。あまりにも怪しい。その場でジャンプさせてみるとポケットから金貨がこぼれ落ちた。照れくさそうに笑うシュランは信用できないがどうも憎めない。

暗い船内へ

船内も探索する。浸水しているので膝まで水に浸かりそうだ。靴が濡れると気持ち悪いので上で待っていたいが言い出せる雰囲気ではない。シュランの片目が義眼になっていてライトの呪文をかけろと言う。少し気味が悪かったがライトを施すと、光る眼球をはめ直してシュランがはしゃいでいる。いろんな意味でまぶしい。

一列になって階段を下りるとまたゾンビがいた。ゾンビなどはもう物の数ではない。すぐに片づけたが何か様子が変だ。後ろの暗がりからグールが襲いかかってきた。かわすことができず大きな傷を負ってしまった。血を失いすぎて気が遠くなってくる。かろうじて持ちこたえ、グールを片付ける。

すぐにエメンが回復してくれる。心配そうな顔をしている。いい子だ。少々、野蛮な顔をしているが立派なクレリックになるだろう。

木箱からリュートが出てきた。ケイネスは元々持っていたものと合わせて、リュートを2本持って満足そうな顔をしている。戻ったら一曲弾いてもらうのも悪くない。

水没した船倉

その下の船倉は完全に水没している。シュランが潜って探索した。さすが元海賊、船の探索では大活躍だ。鉄の宝箱を見つけて引き上げてきた。パルテノーペが罠の有無を調べながら慎重に開ける。職人の技はいつみても感心する。中からはブーツ・オブ・エルブンカインドと金品、そして船長の日誌が出てきた。日誌には髪で編まれた護符が挟まっている。

日誌によるとこの船はストームレックで働く夫に会いに来た妻が乗っていたらしい。妻は不幸にも病に倒れ、夫に会いたい一心で悪魔とでも契約したのか、この海域をアンデッドの呪いで汚してしまったようだ。愛ゆえの悲劇。ケイネスはきっとこの物語を唄にするだろう。

感傷に浸っていると、上の方でドスンと物音がした。わずかに羽ばたきのような音も聞こえてくる。そっと見たところ羽のある女のようなモンスターがマストにとまっているという。見つからずに出る方法もなさそうなので、正面から戦闘することに。

歌うモンスター

わたしたちの姿を認めるとそのモンスター、ハーピーは歌を歌い始めた。嫌な予感がしてとっさに耳をふさぐ。ふと見るとシュランが虚ろな目をしてハーピーに引き寄せられていく。歌で魅了する魔法のようだ。マジック・ミサイルも駆使して、飛び回るハーピーをなんとか撃退した。少し共通語を話していたようだ。もしかしたら交渉の余地などもあったのだろうか。

竜の安らぎに戻る。実家のような安心感。安らぎの名は伊達じゃない。ヴァーノスにコンパス・ローズ号船長の日誌と髪の護符を渡し、事の顛末を伝える。その夫は既に亡くなっており、北西の墓地に埋葬されているそうだ。妻も一緒に埋葬してくれるらしい。もうあの海域も安全になるだろう。

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