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生膳説

 こんにちは。柳田如那です。えーと、いつも書いてるうちに長くなってしまうのでね、今回は肩肘張らずに、胸だけ張って手短にいきたいとは思うのですが。あのね、普段から思ってる小ちゃいことがあるんです。というのも僕はよく、食事のマナーを注意されるんです。はい。
 いわゆる一汁一菜と言いますか、一汁三菜でもいいんですけど、まぁ普通の和食の定食があるとしますね?なんでもいいです、みなさんの好きな定食を思い浮かべてください。恐らくそこには味噌汁が付いてるじゃないですか。豚汁定食の人は豚汁がついてますね?一汁一菜と言ってるんですから十中八九、一汁はついてるはずなんですよ。いや十中十汁なはずなんです。飲食店で働いていた方なら恐らく、常識として教わってるのかもしれないんですが、配膳する時って、ご飯が左側で汁物を右側に置くことになってますよね。それをね、僕は逆に置いてしまうんですよ。というか、自分が食う時には逆に置くことにしてるんです。これがマナー違反だと。まぁ、そうなりますよね。
 そもそも、この正しいと言われる配膳の位置が浸透したのは「左優位」という日本の伝統と、右利きの人が食べやすい形だからだそうなんです。とりあえず、「左優位」という伝統については一旦、横に置いておくとして、右横に置いておくとしてですね、僕は右利きであるにもかかわらず、この配膳の位置が非常に食べにくいと思うわけです。(左利きの人はどう思ってるんだろう)
 ご飯を中心に食べるから、右利きの人にとって、一番持ちやすい左手前にご飯を置いているわけですよね?でもですね、味噌汁の方が、毎回、口元まで持ってきませんか?すするわけですから口元まで持ってきますよね?それに比べてご飯は、毎回かきこむわけではないから、味噌汁より高い位置にお椀を持ってくることは少ないです。僕は米を食べたら、必ず味噌汁も飲みます。そうなると僕にとっては、毎回高い位置に持ち上げる必要のある味噌汁を、左手前置いてもらった方が食べやすいわけです。その方が右手で奥のおかずを取る時、味噌汁を倒してこぼす可能性も減るわけですよ。
 ただ、むかし葬儀屋さんに教えてもらったんですけど、この逆の置き方は、陰膳(かげぜん)とか死に膳て言って、亡くなった人に供える時の置き方らしいんです。(ここでは、あらゆる国とか宗教とか宗派とか細かいことは気にせず、日本の一般的な仏教?の形式として話しますね。一般的て言葉は合ってるかわからないですけど、仏事なんてそれぞれのご家庭で違うでしょうし、難しいことはよくわからんので、ご愛嬌ということで。)お葬式って、「逆さごと」ってもんを沢山するんですね。着物を逆さに着せたりとかですね、供え物のご飯に箸を立てたりですね、そういうことをして、あの世とこの世を区別するみたいなんです。それには故人に、「自分は亡くなった」ということを気づいてもらう為、という意味もあるそうです。逆さごとをして、「あれ?おかしいぞ?普段と違うぞ?もしかして、おら、死んだのか?おらは死んじまっただ〜」ということをわかってもらうという。
 それを聞いたとてね、だからと言って僕はそんなのは関係なくてですね、縁起なんてもんは、「縁起が悪い」と思うその負の気持ちこそが、縁起を悪くする原因なんですから。僕は、自分が食べやすくて気持ちの良い方がいいだろうと思って、周りの人が嫌な気持ちにならないのなら、できるだけ左手前に汁物を、右側にご飯を、置いて食べたいと、そう思って今日も生きているわけです。
 ただですね、となるとですよ、困るのが僕が死んじゃった時なんです。僕が普段、汁物を左側に置いてることを家族が知らなかったら、そのまま死に膳として、普通とは逆にしてお供えしちゃいますよね。その配膳は僕にとっては日常茶飯事なわけです。そうすると僕は霊魂になっても、普段通りだと思って死んでる事に気づかないわけですよ。これは困る。だから、ぜひとも俺の死に膳は、逆に普通の置き方をしてくれると助かるわけです。いやね、他にも着物を逆に着させられたりとかしてるわけですから、感の鋭い僕は死んでる事くらい気づくはずなんですけどもね?えーと、今は、生きてます、よね?あってますよね?

 あ、それでいうと、僕の友達に、あるラッパーのファッションに憧れて、必ずズボンを前後ろ逆に履くようにしているやつがいるんです。高校生くらいからかな、オシャレとして制服とかも、ズボンだけ前後ろ逆に履きはじめて、もちろん私服もパジャマも逆に履くんですよ。いつ見てもケツポケが前にきてて、チャックは尻側にあるんです。トイレの時とか毎回めんどくさいだろとか、色々想像して最初は流石に笑ってたんですけど、誰にイジられようとも、そのポリシーを辞めようとしないんです、そいつは。大人になって、この間、久しぶりに会った時もまだ変わらず逆に履いてましたから。社会人になって、結婚して、子どもができても、ズボンは前後ろ逆に履いてるんです。もう、かっけぇなぁと思っちゃって。感動して変な涙出そうでした。僕の配膳の位置の話とは違って、完全に機能的には使いにくいわけですから。自分でも「小便しにくい」て言っちゃってるんですから。エッチの時も手こずるでしょうに。相手のブラ外すのに手こずるなら可愛いものの、自分のズボン脱ぐのに手こずるんですから。もう、魂で逆に履いてるわけですよ。ジイさんになってもステテコを前後ろ逆に履いて欲しいもんです。そしたら、ボケてると思われてヘルパーさんにでも直されるでしょうけども。
 だから、そいつが死んだ時にはね、ちゃんとチャックを前にしてズボン履かせてやらなきゃな、と思うんですけど、そこは、そいつの家族と葬儀屋と僕とで一悶着はあるでしょうね。


 あの世にとっては、この世があの世で、その世にとっては、どの世がどこ世?要はみんな、風邪ひくな世〜ってことよ。

 読んでくれて、ありがとうございます。

 また、結局だらだらと長くなってしまいました。校長先生の様に内容の無いYOな事ををだらだらと。貧血にならない程度にYOんでくれたら嬉しいし、要は鉄分とれ世〜ってことYO!



 ところで「左優位」って、なにゆえ?


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