きょうのつぶやき

きょうの呼吸器外科の講義は胸部X線を見るとポイントを講義してもらい、その後で問題を解くという流れだった。

CXRを見るとき、簡単なポイントから話すと、肺野の左右差、大きさ、影、血管透過性、など見えやすい肺野をみる。もう少しレベルが上がれば、シルエットサインをみる人もいる。今回の講義ではさらに見るのが難しいポイントを解説してもらった。心臓、気管、血管、横隔膜がある領域は高濃度であるため腫瘍などがあっても見落としやすい。それを見抜くのに役立つのが、右気管傍線、気管分岐角度、​食道静脈陥凹、AP window、下行大動脈、横隔膜線が見えるかどうかをチエックすることである。今まで何となく白いなとか、下の方に腫瘍があるんじゃない、あれ気管偏位してそうとか感覚的に見ていた。

そして、医学のアマチュアからプロになるための改善点を発見!まず推測で理解、判断、答えるのはアマチュア。

例えば、右の肺野が全体的に透過性が低下していた。ただ、肺野の下の方は真っ白だが、上の方はすこし濃度の低い部分が見える。このとき、自分は下葉?らへんは無気肺で、上葉?とかはひどくない。

この回答はどうだろうか。無気肺は根拠のない推測、肺野の下の方が下葉というのも講義で感覚にまかせた推測、これらは知識があまりなくても答えられるようなデタラメで感覚的である。まだこれらが講義を受ける前ならば素人じみた答えでも良かったが、講義でプロの知識を入れたのだからこれを利用しなければいけない。講義→問題とは講義の知識を実践で使えよということなのだから。講義で与えてくれるものは、事実(知識)、実践での応用方法(論理)。これらを順に駆使していけばA→B→C→Dと最終的な答えに行きつく。事実と論理で飛躍することなく答えにつくのがプロ的な思考である。

では、どう答えるのか。全体的に右肺野の濃度が高くなっている。詳しく見ると、右気管傍線、右第1弓ははっきりとみえているので、右上葉の少なくとも右気管支付近やS3には隣接した病変はなさそう。右の第2弓もシルエットサイン陰性なので右中葉S7には隣接した病変はないはずです。その前後に病変があるはず。横隔膜の辺縁はシルエットサイン陽性なので、下葉病S10には病変があるはずです。

まとめ、講義→問題なら、せめて講義の内容おさえよっ。これまでの話、伏線だよ。プロなら感覚じゃなくて、事実と有用な情報を論理で結びつけよっ

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