差異と共生の認識論~『多文化主義とは何か』センブリーニ
多文化主義とは、異なる民族集団が持つ文化や風習、価値体系を等しく尊重し、社会の中で共生を図る考え方を指す。
20世紀後半に出現した概念で、カナダやオーストラリア、アメリカなどを中心に、現に目の前にある社会問題と密着する形で議論が発展してきた。古くからの問題としての帝国主義的な異文化の同化政策に対して、あるいは新しい問題としての人種のサラダボウル的な移民の混合状況に対応して、政策展開を含むさまざまな運動が多文化主義の旗印のもとに起こっている。
しかし、既に社会に根差している