絢爛で魔術的な文化論の”超”作~高山宏『近代文化史入門―超英文学講義』
ついに出た。2020年私的ベスト本の急先鋒。
博覧強記の文学者にして「学魔」と呼ばれる著者高山宏については、名前ぐらいは聞いたことあれど本書を開くまで寡聞にしてその業績をほとんど知らなかった。「こんなすごい人がいた!」と騒いでも、何をいまさらと鼻で笑う向きもあろう。
サブタイトルにある「英文学」が確かに著者の専門ではあるらしいのだけど、堅苦しく味気ない文学史の類では、本書は一切ない。”超”英文学との謂いは、スーパーな英文学ということではなくて、英文学を”超えている”=超領