ストックオプションと分裂症
マルクスが『資本論』を書いて、グレーバーが『負債論』を書いたので、当然そろそろ『ストック・オプション論』も必要だろうと思う。以下はそのうちのほんの片隅の試論である。
『資本論』が労働者の労働生産物からの疎外を言うとき、資本主義において生産手段の所有者と実際に生産を行う労働者との不一致という事態が大きな役回りを担っていた。労働の対象化たる生産物が、資本(家)の価値増殖運動のうちに労働者の手を離れて自立化し、独立した存在として労働者に対して支配力を振るう局面である。
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