”余剰と交換の経済史”~『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』
たしかにわかりやすい。Audibleで聞くのにもちょうどいい塩梅だった。
あえて本書の構成を2分割するなら、前半はさながら”余剰と交換の経済史”といった内容。人類が集団で農耕を営みはじめてから、現代のような市場経済が形成されていくまでの、いくつかのキーワードで捉え、ダイナミックに描いていく。経済の話というよりも、市場を舞台にした人類社会の歩みを描くグローバル・ヒストリーとして読める本書は、わかりやすさ以上に説明モデルの明快さと面白さで評価されるべき本だ。著者自身、序盤の章は