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世界一要らない情報
会社をやめるとき、わたしの送別会の幹事を、ちょっと苦手な先輩がしてくれた。
ふたり一緒にしなくてはならない仕事がたくさんあって、困ったなあ、やりにくいなあ、仕事でなければ、チャーミングですてきで、話も面白くて、きっと大好きなひとになっただろうに、なんだか悲しいことだなあ、でも仕方ない、仕事だから、どうしたって難しいことはあるよなあとずっと思っていたから、送別会の幹事をしてくれることを、単純に嬉しかった。
ありがたいなあと思っていた。
ありがとうございますと伝えたら、先輩はちょっとにこっとしてくれた。
送別会も終えて、そこを退社して、そこで一緒だったともだちと久しぶりに会って、そうしたら、
あのひとなあ、あんたのこと、嫌いだって言ってたよ
と不意打ちをくらった。
いや、いいけど。
そうだろうけど。
わたしも苦手だったし。
でもそれは、誰も幸せにしない世界一要らない情報。
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