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クーポンを使い忘れた

キャンセルできないけど、必要だから、えいやっと買った11,800円のものについて、25パーセント引きのクーポンを持っていたことを直後に気づいて、ここ数日ずっとひきずっている。

11,800円の25パーセントだから、2,950円。
2,950円かあ。
2,950円。2,950円。2,950円。とごはんを食べても道を歩いても駅の改札を通っても通り抜けても思う。

2,950円あったらできることを考えてしまう。
2,950円あったら。
いいランチは、食べられるな。
サラダとパスタとパンだけじゃなく、デザートとかもつくやつ。コーヒーとかも飲めるやつ。なんなら、ちょっとしたオードブルもついちゃうやつ。

ちょっといい手袋とか、買えるかもしれない。靴下もいける。
本もハードカバーのやつが買える。表紙がかたくて、装丁がかっこいいやつ。
映画観たあとで、お茶とかもできる。

あー。
こういうとき、2,950円の損、と思わないひとになりたい。
2,950円は、そのお店に投資したと思えるひとになりたい。いや、それも重たいか。
2,950円でそこまで恩を着せられてもお店も困るか。そもそも25パーセント引きは、お店の善意によるものなんだから。それを、損した損したと思うのは、ちょっとあさましいかもしれない、でも思ってしまう。

あーあ。
やだなあ。
クーポンを使い忘れたことより、いつまでもひきずるこのあさましさがいや。

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