この本がないと研究なんて

鎌倉時代について今日はさらに記事にします。

「鎌倉遺文」という史料集があります。
古文書編42巻・補遺4巻・索引編5巻。
竹内理三先生がほぼおひとりでこの史料集を作られました。
すごいことです。すごいだけではそのとてつもない功績が表現出来ません。
先生はまず「寧楽遺文」を刊行され次に「平安遺文」を。そして最後に誰もが手を付けることのない鎌倉時代の古文書網羅という大事業を完成させました。

鎌倉時代の1185年から1334年までのすべての古文書をまず収集し、それらを年代ごとに並べ替え名称をつけて整理する。
考えただけでもとんでもない量の古文書の数!
それらを原本から書き写しそれを読み解く。文書に名称を付け人物比定をする。そして鎌倉遺文の整理番号をつけて年代順にまとめる。
約3万6000通ある古文書全部目を通したわけで、竹内先生のこのお仕事がなかったら、鎌倉時代の研究なんて到底出来なかったのです。
原本を依頼して見せてもらって限られた時間でノートに字にしていく作業をしなければいけなかった。古文書を読む力も当然必要。現代の活字に慣れた私では到底出来なかったでしょう。
鎌倉遺文の古文書をコピーして研究した気分になることも何度もありましたが、今思うと竹内先生に怒られそうなことをしてましたね。
論文をコピーして満足する性格をもっと早く治していたら今よりましな人になっていたかな。
鎌倉遺文が出来る前の時代の論文に、古文書の名称と年代が書いてあるものがありますが、これは今では鎌倉遺文第〇巻〇〇〇号と簡単に探せるようになっている。
竹内理三先生に最大の感謝の気持ちを抱きながら今日も勉強していきたいと思います。

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