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【Design 3.0 の道標】VUCA時代における天才神話vs集団的創造性

私は
【Design 1.0】を「カタチのデザイン」、
【Design 2.0】を「価値のデザイン」、
【Design 3.0】を「創造性のデザイン」と定義している。
詳しくはこちらを参照してほしい。

【Design 3.0の道標】シリーズでは、そこに至るまでのデザイン論を解説していきたいと思う。

不確実性の時代

さて、おそらく読者の皆さんは「VUCA時代」という言葉を聞いたことがあるだろう。Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つの単語の頭文字をとって、変化の激しい現代を指している。日本語では「不確実性の時代」と呼ばれていたりする。

ここで「確実性の時代」を表現してみた。

確実性の時代

どうだろう?1分以内にトランプから「♥7」を探し当てられるだろうか?

多くの人は整然と並べられたトランプの内、めくられている5枚のカードから並び方の法則性を見出し、「♥7」を一発で見つけられるのではないだろうか?

次に「不確実性の時代」を表現してみた。

不確実性の時代

先ほどとは違いトランプの並び方はグチャグチャだ。めくられているカードは同じだが位置も違うし、法則性はありそうにない。

このような状況で、1分以内に「♥7」を見つけることができるだろうか?

「みんなが右上にあるって言っている」(多数決)
「じぃちゃんが迷ったら左下を選べって言ってた」(上長の意見)
「なんとなく左上にありそう」(直観)
「前回は真ん中にあったからきっと今回も…」(過去の成功体験)

さて、皆さんはどうやって探すだろうか?

答えは簡単だ。両手を使って片っ端からめくるだけだ。だが実際に会社の中で起きているのは上のような意見で仕事が進められていることは少なくない。

しかし、本当に「不確実な」であれば、ここに「♥7」があるとも限らないし、カードの枚数が52枚だけとも限らない、中にジョーカーが混ざってる可能性だってある。実際のビジネスの世界では、いかに安く早く確かめていくかが大事になる。そう、リーンスタートアップの考え方だ。
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天才神話 vs 集団的創造性

「クリエイティブ・ジャンプ」という言葉をご存じだろうか?「創造的な飛躍」とでも訳すのだろうか。実は確実性があるのに、大半の人にはあいまいだと思われている状況があったとして、その中で先に独自の法則性やビジョンを見出し、ジャンプを成功させた人を天才と呼んだり、ヒーローとして崇めてはいないだろうか。

不確実性の時代において、あるかどうかわからない空中のゴールに向けてジャンプするのはあまりにもリスキーだ。そして、上長の意見も多数決も過去の成功体験もあまり役に立たないとするならば、時間(リソース)がなくなる前に早く多くのカードをめくりエビデンスを集めるしかない。それも複数の人間でめくった方が早い。もしカードが100枚や1000枚あるとしたらなおのこと。ここでやってはいけないことが一つある。めくったカードを誰にも言わずにそっと裏返して元に戻すことだ。

クリエイティブジャンプとエビデンスベースドデザイン

確かに不確実で不安な状況下では神や天才にすがりたくなる気持ちもわかる。果たして我々がとるべき行動はどちらだろうか。

ではまた。

#Design3 #VUCA #リーンスタートアップ

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