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ロボアドバイザー業界の総まとめ

こんにちは。お金のマッチングプラットフォーム"お金の健康診断"を提供する株式会社400Fで代表をしている中村仁です。

コツコツ続けている業界分析ですが、今回はここ最近で様々なニュースが出てきたロボアドバイザー業界について自分なりの見解をまとめます。元ロボアドバイザー企業の経営者としてはなかなか興味深い状況になってきたなと考えています。

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- 最新のロボアドバイザー企業各社の口座数、預かり資産
- ロボアドバイザー企業のb2bシフト
- ロボアドバイザー企業の対面力強化
- ロボアドバイザーとポイントサービス
- ロボアドバイザー企業の合従連衡
- ロボアドバイザー業界の今後

1. 最新のロボアドバイザー企業各社の口座数、預かり資産

ロボアドバイザー企業のKPIについては、投資顧問業協会が四半期に一度発表しております。12月現在では9月末時点の各社の数値が公表されておりました。

そちらの数値をまとめたものが以下になります。まずは各社の口座数になります。口座数においてはウェルスナビ社が他社を圧倒しております。なお、THEOの口座数について集計基準の変更か何かがあったものと想定され、次回の公表時の数値確認が必要となります。

6月末〜9月末にかけての伸び率ではsustenが大きいですが、1,600口座しかないため業界へのインパクトは軽微です。また、folioについては業界の中で唯一前四半期割れしております。

口座数で注目であるのはマネックアセットマネジメントです。まだ1万口座ではありますが、早いペースでの成長を維持しており、今後楽ラップとの差をどの程度詰めることができるかが注目です。なお、楽天証券の楽ラップについては成長が鈍化してきている可能性があります。

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次に預かり資産です。預かり資産についてもウェルスナビ社が他社を圧倒しております。なお、ウェルスナビ社に関しては口座数の69%が積立設定しており、平均積立額が4.3万円となります。そのため、月次で約90億円の純増があり、3ヶ月で270億円となります。9月末の預かり資産は6月末から636億円増加しておりますが、積立を除くと366億円の増加となります。

残高が1,000億円を超えているTHEOと楽ラップについては成長率がほぼ同じでありますが、次回の統計ではTHEOが楽ラップの数値を上回る可能性が高いです。それ以外では口座数と同じくマネックスアセットマネジメントが高い成長率で伸ばしております。

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次に一人当たりの預かり資産になります。ここに各社の戦略などが垣間見えます。業界No.1のウェルスナビ社は一人当たりの預かり資産が181万円と他社と比較しても高くなっております。積立設定率が高いため四半期ごとに数値が上がっていっていることが想定されることと、ある一人の投資家が197億円も預けていることが平均単価の押し上げにも繋がっていると考えられます。

THEOは口座数が集計ミスか何かで急激に上がったことで一人当たりの預かり資産が低下しております。また、sustenについても四半期ごとに平均値が下がってきており、マネーフォワードとの提携等によりマス層への訴求が増えていっているのではないかと想定します。

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一人当たりの預かり資産で注目なのは、こちらもマネックスアセットマネジメントです。こちらの平均は231万円と突出して高くなっております。最初見た時は法人口座で大きく預かっていると想定しましたが異なりました。また、一部の大口預かりで引き上げているだけではないことがわかります。

そのため、ロボアドバイザーとしては最後発に近い立場ですが、高い単価での預かり資産拡大を行なってきていると想定されます。ロボアドバイザーの手数料は年間1%前後であり、収益性は低いため単価の引き上げが至上命題です。そちらを同社が実施してきていることは非常に興味深いです。

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