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『鬼六を偲ぶ夕べ』にて

父・鬼六が他界してから今年で10年を迎え、

「団鬼六を偲ぶ夕べ」なるものが催されました。

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主催者は私の継母なのですが、来年で喜寿を迎える歳ながら

歌手としていまだに精力的に活動をしております。

こういった催しも自ら率先して企画し、

息子の私に突然招待状が届いたりする。

しかも「偲ぶ夕べ」の2次会のライブハウスでは

鬼六官能作品の朗読を本人が行うというのです。

息子の私としてはあまり聞きたいとは思えず(笑)そこはパスしましたが、

まあその活動力には頭が下がります。

彼女の呼びかけで

生前父と交流があった方々に久々にお集まりいただきました。

作家の丸茂ジュンさん、大崎義生さん、映画監督の関本郁夫さん、

幻冬舎専務の石原正康さんなどなど。。。

懐かしい方々、今になって初めてお会いする方々、

どなたも業界の大御所でありトップランナーで、

ああこんなすごい方々に父はお世話になっていたのだなあと

あらためて感慨ひとしおなわけであります。

それぞれの方から鬼六との思い出話などを披露していただき、

忘れかけていた父の面影が次第によみがえってきました。

この中で私が知っている最古参の方にお会いしたのは

本当に自分が小学生の頃だった気がします。

あの頃は無防備にいろんなエロネタが我が家に散乱していました。

緊縛撮影会なども自宅でやったりしていたので、

きれいな女優さんもしょっちゅう出入りしていました。

当時の誰でも知っている有名緊縛女優TNさんの膝の上で遊んでいたのも

今になっては私の人生の自慢話。。。

世の中のイメージとしてどうとらえられているのかわかりませんが

鬼六は決して孤高の作家ではなく、

とにかく人と集まってワイワイやるのが好きでした。

いつも人を連れまわし、自分で散財して、

周囲が楽しんでいるのを見るのが好きだった。

私が会社を辞めて、何か新しいことを始めたいと思ったとき、

初めに思い浮かべたのはあの頃のワイワイ(猥・猥)しつつも

屈託のない賑やかな我が家の原風景です。

文学とか、官能小説とかっていうと、なんとなく引いてしまうけど、

「書くこと」や「猥」をもっとカジュアルに楽しめないか、

そんなことを思いながら久々の人達との再会に胸を躍らせた夕べでした。


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