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ファッションの“セイロガン糖衣A”のお話👗

こんにちは、自問自答ファッション通信です。

みなさんは正露丸を飲んだことありますか📯

そう、お腹が痛くなった時に飲むお薬です。ラッパのマークのあれです。小さな頃から身近にありましたが、真っ黒で、後味が苦くて、なんだかしっとりしていて、ちょっと苦手なお薬でした。腹痛の時によく効いてくれてありがたいのですが「お気に入りの鞄の中で瓶から飛び出てしまったらどうしよう…」と考えるとそわそわしてしまうくらい「どんより」とした雰囲気の錠剤です。(個人の感想です。正露丸の味がお好きな方、すみません🙇‍♀️)

そして「セイロガン糖衣A」というのもあります。「正露丸」を甘くてツルッとした「お砂糖」でコーティングしたものです。商品名までカタカナになってなんともポップ!何がAなんだかわかりませんが、とにかくありがたい。商品説明には“においがなく飲みやすい白い錠剤です”と書いてあって頼もしい。表面が「ピカピカっ」としてぜひともバッグに入っていてほしいmedicineです💊

“糖衣A”はファッションにもある👀

「ファッション通信」なのにいきなり正露丸のAmazonリンクを張り出したぞ!との声が「ざわ…ざわ…」とカイジばりに聞こえていますが、ご安心ください。ここから服の話をします。

思えば我々はさまざまな“糖衣A”をかぶって生きてきました。「子どもらしい服」「学校の制服」「トレンドのファッション」「仕事のユニフォーム」。ファッション業界ではそれを「TPOに合わせた服」なんて呼んでいます。時と場所と場合(相手)に合わせたファッション。

もちろん、お洋服の話だけでなく態度や振る舞いにも関係しています。「学生らしい態度」「社会人らしい行動」「親らしい考え方」「女性らしい対応」。令和の時代におかれましては「らしさの押し付け」などと言われてはいますが、目にはさやかに見えねども、きっとまだ無くなってはいないのです。

あまりに大きく外れてしまうと世間というサイレントマジョリティーやサイレント機能を持っていないマジョリティーに「どうなのかしら?」と言われてしまうこともあり、多少なりとも「合わせてきた」「合わせに行く」「合わせようにも合わせられなかった」という経験もあるのではないでしょうか?(私は、あんまり合わせられなかった思い出があります笑)

“社会性糖衣A”って何だろう?

私はファッション講座の中で受講者さんに「好きな映画(音楽・本)は何ですか☺️?」と聞いています。

その際に「社会性がある方と、ない方どちらから聞きますか?」なんて返ってくることがあります。まるで「良いニュースと悪いニュースどっちから聞きたい?」というアメリカンジョークの導入みたいな話し方で、すごく好きです。

「社会性のある方の映画」として話題の邦画やハリウッド超大作のタイトルがあがり、「社会性のない方の映画」として過激な超問題作があがると、それはもう楽しくてガッツポーズしちゃう私ですが「どっちも、その人自身なんだなぁ」と感じています。その方はハリウッド超大作も好きだし、過激な作品も心から好きなんです。どちらも嘘ではなく「バランス感覚」なんだと思います。(もちろんディズニー映画しか見ないよ✨などという方もいらっしゃいますし、そんな方も大好きです!)

社会(学校や職場やたくさんの人が生活するところ)でいきなり“糖衣”を外してしまうとギョッとされてしまうことがあります。正露丸はよく効くお薬ですが“糖衣”がないと苦味や香りが強く飲みにくいのも事実です。

糖衣は好意です。「嘘をついている」とか「違う人格を演じている」訳では全くなく、どちらも大切なその人の要素です。正露丸だって糖衣をまとえば途端に飲みやすくなるのです。

ファッションには“糖衣B”や“糖衣Z”もある

私は長いことアパレル業界にいて、いろいろなスタイリングのご依頼を受けてきました。多かったのは「就職活動のスーツ」「お子様のお受験のためのママセット用アップ」「婚活用のワンピース」または「冠婚葬祭(結婚式や法事など)のお召し物」実はこんな“糖衣A”や“糖衣B”は型がある程度決まっているので、選びやすいのです。

複雑になってくるのは「狙った彼だけをメロメロにするけど、他者を寄せ付けないデート服」や「同僚に一目置かれるけど目立ちすぎないオフィスカジュアル」「ママ友とのランチ会で程よくマウンティングをかわせる服」や「社宅で旦那さんの上司の奥様に疎まれないけど、自尊心も満たすバッグ」などなど、生きていると変化球に飛んだ「糖衣ウルトラQや、糖衣クローバーZ」も着なくてはいけません。

じっくり膝を突き合わせてお話しすると「それ、糖衣θ(シータ)ですね」「糖衣γ(ガンマ)ですね!」なんて事もよくあります。お客さまとその都度「うーん、うーん」と悩んできました。

糖衣は、それを飲む人=受け手にとって「甘い」と感じるから糖衣なんです。受け手が甘いと感じてくれるか、つるんと飲みこんでくれるかって、とても難しい問題です。(そしてもちろん、糖衣をかぶるかかぶらないかも、その人の自由なのですけどね。)

セイロガン部分が分からないと、自分らしい服が選べない

ここで問題なのですが、世の中には糖衣を厚くしすぎて「セイロガン部分が分からなくなってしまった人」もたくさんいらっしゃいます。「自分らしい服が選べない」と言っている方はだいたい「糖衣部分」が分からないのではなく中身の「正露丸部分」に気付けていないのです。(みんな正露丸部分、しっかり持っていらっしゃいます!)

「セイロガン糖衣A」は外見は甘いし、中身は効くので人気ですが「糖衣A中身無し」は、ただの糖の薄い膜なので、飲んでもプラシーボ効果しかありません。(効果があることはある!)そして、社会って「糖衣が分厚い人」が生きやすかったりするので、糖衣をできる限り厚くすることを推奨されます。

「真面目に勉強すると良い」「一生懸命仕事をすると良い」「尊敬される親になると良い」などとは言われますが「苦くてもいいから、正露丸を大きく、濃く、匂いを強く、効き目あるようにするといい」とは、あまり言われないんですよ。個性が強すぎると苦労するのが目に見えているからです。

きちんとしたオフィスカジュアル、トレンドを程よく取り入れた私服。どれも素晴らしいし、もちろん大事なその方の一部分なのですが、その糖衣を剥ぎ取ったら何が残るのでしょうか。それを真剣に考えないと、空洞になってしまいます。宮崎駿さんのいうカオナシ(己という物を持たない悲しい存在)のような感じです。

ジブリの「常識の範囲内でご自由にお使い下さい。」の画像やっと使えました!YEAH!
ロエベと千と千尋コラボの遊び心🐸🐹

自分のコア(正露丸)部分を明確にする

転職や、結婚や、お子様の独立で「糖衣」をかぶらなくて良くなった時に、「自分が着たいファッションが分からなくなった」という方もたくさんいらっしゃいます。最近ではリモートワークになることで「オフィスカジュアル」という「糖衣C」から解放されて「おや?私の正露丸はどこ?」となってしまった方も多いでしょう。

「正露丸部分が大きすぎて糖衣が剥がれちゃって困っている人」もいますが、「社会人を何十年もしていて、正露丸部分が分からなくなってしまった人」もよくいます。どちらも、本人にとっては深刻なお悩みです。

良薬は苦くていい、まずは知ること

今一度、自分の中の“良薬”部分を探してみましょう。好きなもの、やりたかったこと、我慢してきたこと、大好きな友達から、変だねって言われること「どうしても糖衣から滲み出ちゃう部分」を、ちゃんと見つめていきましょう。多少苦くてもいいんです。だって、効き目がないと、後々自分が困るんですもの。

そして、同時に自分が飲ませたい相手(関わりたい人)の好む“糖衣”を覚えましょう。するんと飲んでもらってなおかつ良く効く薬は、自分にも周りにも好かれます。いい感じの糖衣を覚えれば、「感じがいいけど、なんか他の人と違くて、ずっと一緒にいたい魅力がある人」になれるはずです。

🍰 おまけ 🍰

「社会性のある面白い人」でパッと思いついたのはミッドサマーの監督の「アリ・アスター監督」でした。笑顔でニコニコと「みんなが不安になるといいな。」と語る様が最高で、歴史に残る傑作を作る人は「狂気と同じくらい社会性を持っているんだな…」と思いました。とんでもない個性とそれを人に飲ませやすく、しかもしっかり効く能力を育てて両立させたいものだなぁと思います☺️

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