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いつもポケットに【漱石】が入っていたお兄さんのこと📖

こんにちは
自問自答ファッション通信です。

その人の「持っているもの」ってかなり重要な人間性を表していると思っています。服じゃなくても「ファッションと呼んでいいもの」です。今回は私が印象に残っている「服じゃないファッション」をお伝えしていきます。

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📖いつもポケットに漱石を

私は以前百貨店に勤めていたのですが、出入りしてくれている「配送業者さん」で、いつもユニフォームの後ろポケットに「純文学の文庫本」をカバー無しで入れているお兄さんがいました。

エレベーターで一緒になる時に、一瞬の隙を見つけては文庫本を読んで、ぐしゃっとポケットにねじ入れて次の仕事に取り掛かっていく方でした。

今思えば、スマートフォンも普及していなかったし、活字好きさんだったのだろうな〜と思うのですが、筋肉質の大きな身体に小さな文庫本のコントラストが印象的で、「これは紛れもなくファッション(生き方)だよな」と思っていました。

私も本が大好きなので誰かの読んでいる本って気になるのですよね。毎回気づかれないように本のタイトルをパッと見て、同じ本を読んだりしていました。谷崎潤一郎だったり、遠藤周作だったり、芥川龍之介だったりするのですが、夏目漱石の割合が多かったので「漱石のお兄さん」と心の中で読んでいました。猫背気味で生活の隙間に活字を読む彼の後ろにはいつも大きな図書館が見えていました。

恋とか出会いとか話しかけるとかいう概念ではなくて「おすすめ本のSNSアカウント」から「タイムラインに流れてくる情報」のようにそっと拝見させていただいていました。

私は今はフリーランスなので、もう会社に通ったりすることはないのですが、「ああいうリアルなタイムライン」はリモートワークだと生まれづらいんだろうな〜とちょっと思ったりしました👀

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☂️いつもカバンに折り畳み傘

どんな晴天の日も折り畳み傘が入っている仕事仲間がいました。なぜ覚えているのかというと、私が全く傘を持ち歩かないタイプだからです。

「心配症だから、駅から遠いところに住んでいるから、雨に濡れたくないから」色々な理由が考えられると思うのですが、ある降水確率0%の日、「なぜいつも傘を持っているんですか?」と聞いてみました。

「だってこの傘、最高にきれいなんだもん。」

その傘はキラキラと美しいルビー色で「フェンディ」のロゴが入っていました。カバンの中でも一際目を引くその傘は本当に美しかった。彼女はその傘の表面を通勤中にツルツルと触るのが好きなんだそうです。そして雨が降ると誰よりも先にそのルビー色をさっと空にかざして、ルンルンと街を歩くのだそうです。

「これぞ彼女だけのファッション(美学)」だなと。人生を楽しんでいる感じがしてとてもいいなと感じたので、印象に残っています。きっとそんな人はうまくいかない日も、心の傘を指すのが上手いのでしょう。

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✒️いつも手元にカラフルなペン

小学校時代の話なのですが、大人しいお洋服を着ているけれど、いつも筆箱の中身はとてもカラフル!という同級生の女の子がいました。

思わず「その色なんて呼ぶの?」と話しかけてしまうような珍しい色のペンを使っていて、とても印象に残っています。お小遣いの全てを使ってペンケースという小宇宙を作り上げるってもはやファッション(表現)だなぁと思います。その子が書いてくれるお手紙も、色とりどりなカラーペンが使われていて、それはもう心弾むものでした💌

言葉数は少ないけれど、きちんと手元に自分の世界観が溢れている女の子、魅力的ですよね🖊️

大人になるとその「ペンケース」はおそらく「スマートフォン」になっています。LINEやSNSのDMでの話す言葉や絵文字の使い方。有料スタンプの使い方までその人の美学やファッションが出ています。メッセージって、服じゃないけど「ファッション表現」の一部だなぁ思うのです。

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👜革素材のバッグが2つ

最後にちょっとイレギュラーなお話なのです。学生時代アルバイト先の洋服屋のお客様で「30代のきれいめOLさん」がいたのですが、ある日、A4サイズの革のバッグを2つ持ってご来店されました。

違和感、感じましたでしょうか?

両肩にA4サイズの革のバッグを二つ持っているって、ちょっとおかしなファッションなのです。

「小さめのショルダーバッグ と大きめのトートバッグ」や、「A4の革のバッグと大きめのボストンバッグ」は「バッグ2つ」の用途として成り立つのですが、同じ大きさの革バッグを2つ持つって、ちょっとの差で、とっても「違和感があるように」目に映るのです。

1度か2度ほどお話したことがあるお客様だったので雑談の後「もしかしてお客さま、とっても疲れていませんか?」とお声替えしたところ、わんわんと泣き出してしまいました。

彼女は看護師さんで、夜勤の後家に帰ってすぐ同棲していた彼氏と喧嘩して、とりあえずお気に入りの通勤用バッグを二つ手に取って家出してきたそうなのです。(このままだとバッグを勝手に売られてしまうと思ったそうです。)

落ち着いてお話をお伺いすると「バッグを2つ持っているって自分でも変だと気がつかないくらい動揺していました。話したらスッキリしました。声をかけてくれてありがとうね。」とスッキリした顔で答えてくださいました。(後日、彼とは別れました!と、お洋服を買いに来てくれました。)

こんな「ファッション人間交差点」みたいなエピソードを書く気はなかったのですが、ちょっと思い出したので書いてみました。これは生き方ではなく「ファッションから滲み出たSOSのお話」でしたね。
(※個人のお話なので少しフィクションを加えています🙏)

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👗ファッションはヒューマンスクランブル

ファッションには生き方や美学やSOSが否が応でも出てしまいます。それも含め、服って面白いなと思うのです。

あなたが今読んでくれている私のブログも「お兄さんの文庫本」のように何かしらのイメージを残せたらな思っています。5年後10年後に「このエピソード何かで読んだ気がする…あの独特なファッションスタイリストの…自薦他薦だっけ?(違う)」などと、思い出してくれたら嬉しいです。むしろ私は、その為だけに書いてます。

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