見出し画像

【読みビト:じゃむパンの日】

読み終わって、最初に口にした言葉は「残念…」でした。

数ヶ月程前、たしか朝日新聞の記事であったと記憶していますが、著者の没後から数年(おそらく5年くらい)経って、生前のエッセイをまとめた本、とのこと。著者については、以前芥川賞を受賞(2010年とのことです)された際のボソボソとした喋りが印象に残っており、多少興味をそそられたので、当方、およそ女子のエッセイ集とは縁遠い50オーバーのオッサンではありますが、思い切って手に取ってみました。

じゃむパンの日
赤染晶子
palmbooks

その感想が冒頭の一言なワケですが、結論から申しますと、「こんな面白い(文章を書く)ヒトだったのか。早世されて(2017年)しまい、誠に残念…」、という気持ちです。

全編にわたって地味に笑える箇所がとても多く、一日の終わりに少しずつ読み進めると、その日の疲れがすうっと抜けてゆくように感じられます。

本文中の最後の章、岸本佐知子さんとの交換日記の中で「さそり座」を取り上げた文章には大笑いしました。

この本を世に出して下さったpalmbooksさんにも感謝です。
同書がキッカケで増刷になったという芥川賞受賞作「乙女の密告」も是非読んでみたいと思います。

久々に想定以上の内容の読書を堪能しました。
こうした出会いがあるので、やはり読書は止められませんな。(k)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?