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みぃちゃんとぼく

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http://ncode.syosetu.com/n9377cu/ に掲載している連載小説を掲載します。
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2015年12月の記事一覧

第15話 みぃちゃんと犬とツバメ

 みぃちゃんが犬を追いかけている。僕はランドセルを急いで肩から外して、植え込みの中へ放り投げた。そして、みぃちゃんの後を追った。

 五分間だった。みぃちゃんが犬を追って、僕がみぃちゃんを追いかけて五分経ったのだった。

 ばっさっー。みぃちゃんがこけた。公園のクローバー広場で。僕は近づいて、息を激しく吐きながら、みぃちゃんの顔を覗きこんだ。

 「ふへへ」

 みぃちゃんはそう言って笑った。中学

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第14話 みぃちゃんと洗面台

みぃちゃんから電話があった。

 「トイレの洗面台をきれいにするからおいでよ。ガチャン。」

みぃちゃんは自分でガチャンと言ってから電話を切った。

 僕は電車に乗って、みぃちゃんのうちに行く。家の前まで来るとみぃちゃんが見えた。五十センチくらいのアルミのタライが目の前にある。みぃちゃんが重そうな袋をぶちまけて、たらいの中に砂を入れた。

 「ハル君、これから水を入れるからね。そしたら、力いっぱい

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第13話 みぃちゃんと台風

 昨日から台風が続いていて、今日は学校も休みになった。僕はお家で一人、ポーカーをしていた。鏡を見ながらポーカーをしていた。ポーカーフェイスの修行中だ。ポーカーをやるなら、ポーカーフェイスもやらないとね。

 「お前はフランス人か!」

 突然、みぃちゃんが家に入ってきた。僕の心の声に突っ込みながら。えっと、みぃちゃんはテレパシーが使えるのかな。

 「おはよう、みぃちゃん。台風大丈夫だった?」

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第12話 みぃちゃんの詩

 どこに行っても馬鹿にされ

 どんな時にも馬鹿にされ

 色んな人から馬鹿にされ

 生きてるだけで馬鹿にされ、与党野党に馬鹿にされ、悪人たちの天国さ。悪人たちが笑ってる。馬鹿を笑ってふんぞり返る。

 誰に会っても馬鹿にされ、あっちに行ったら馬鹿にされ、こっちに来ても馬鹿にされ、小学生にも馬鹿にされ、小学生から馬鹿にされ、馬鹿にしているお馬鹿さん、あなたも馬鹿にされてしまう。

 小学校では遠

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第11話 ハム伝その1 田中ジャンの使命

 僕ハムスター。ジャンガリアンハムスターだからジャンが名前、苗字はまだない。田中さん家で飼われてるからね、田中でいいよ。歳は約半年で色は灰色、愛称はトマト、いたって普通のジャンガリアンさ。

 僕が田中ジャンって呼ばれるときにさ、田中じゃん、って言われてるのかなって悩むよね。僕も最近ずっとそのことばかり考えてて、夜も10時間しか起きられないよ。夜行性だからね。

 僕の飼い主の田中さん家は核家族で

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第10話 みぃちゃんと雨とカエル

 僕はあれから、ピョンピョン跳び跳ねるみぃちゃんを二階の窓から見ていた。三十分は経っただろうか。みぃちゃんはびしょ濡れになっても、ずっとカエルの真似をしている。僕はだんだん悲しくなって、涙が止まらなくなった。

 やっぱりみぃちゃんを一人にはできない。僕はあわてて部屋を飛び出した。

 「みぃちゃん!僕もカエルになるよ。」

僕は四つん這いになって、必死でけろけろ鳴いたのだ。

 「けろけろけろ、

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第9話 みぃちゃんと雨

 今日はお昼から雨が降ってきて、夕方なのに辺りは暗くて、カエルの鳴き声がそこここから聞こえてきていた。

 どしゃ降りの雨の中、学校から帰ると、以前みぃちゃんの家の庭だったクローバー畑に女の人が立っていた。

 その女の人は傘を指していなくて、雨に濡れたまま立っていた。

 僕は家に入ろうと、目をそらしかけた。すると、突然、その女の人がしゃがんで、跳び跳ね始めた。

 「けろっけろっけろっ。げろろ

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第8話 みぃちゃんの少し変な話

 「占いって信じる?」

みぃちゃんに聞かれた。

 「信じるかもしれないけど。でも、嘘だと思う。」

僕がそう答えると、みぃちゃんは変な話をしてきた。

 「前に私のパパが、お付き合いしている人だと言って紹介してくれた女の人がいるのね。その人が言うの。『私は売れない占い師です。』って。なに言ってんの、と思って馬鹿馬鹿しくって、放っておこうとしたんだけど、かわいそうじゃない。だから、じゃあ何か占っ

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第7話 みぃちゃん、ハムスターを飼う

 みぃちゃんがハムスターを飼い始めたらしい、とお母さんに聞いた。僕は学校からの帰りに見に行ってみた。

 「ジャンガリアンハムスターの『トマト』だよ。」

みぃちゃんはそう言うと『トマト』を見せてくれた。緑の頭と赤い服がかわいい……

 「ってこれ、トマトじゃん」

 僕が突っ込むとみぃちゃんはテヘヘッと笑ってトマトをがぶりっと食べた。おいしそうだった。トマトの赤が唇の赤と混じって、なんとも艶かし

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第6話 一人で乗る観覧車

 快速電車で一駅だけだといっても、みぃちゃんがご近所さんではなくなってしまった。僕は僕が思うよりみぃちゃん中心に生きていたんだ。

 お風呂に入りながら僕はしみじみみぃちゃんのことを思い出していた。

 みぃちゃんと観覧車に乗ったことがある。一緒に乗るんだと思ってたけど、みぃちゃんは一人で乗った。仕方ないので僕もすぐ後の車輌に乗ったのだった。

 「どうして一人で乗るの?」

 「一人で観覧車を独

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第5話 みぃちゃんに相談する

 ホームで快速電車を待っていた。列の一番前で。すると高校生くらいの女の人が僕に聞いてくる。

 「次の快速電車なんですけど、H駅に停まりますか?」

 僕は少し考えたけど、H駅は快速電車が停まるような気もするし、停まらないような気もする、何とも判断しにくい駅だった。それで、

 「わからないです。」

 と答えた。女の人は一瞬固まり、そして僕を不信の目で見据えた。あわてて僕は隣に立つ人にH駅に停ま

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第4話 みぃちゃんと引っ越し

 みぃちゃんが引っ越すらしいと母から聞いた。僕はみぃちゃんが一人で海外にでも住むのかなと思ったけれど、実際はみぃちゃんの母の実家に同居することになったらしい。

 引っ越しの前日、みぃちゃんにお別れを言おうと、会いに行った。今日もまたマリリンモンローのトレーナーを着ている。

 みぃちゃんの部屋で僕はコーラをごちそうになりながら、ジェンガでドミノを作っている。それと言うのも、みぃちゃんが何とかスイ

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第3話 みぃちゃんと星と

 「もう帰るの?」

僕がそう聞くと、そうだよと言って、みぃちゃんは出て行った。少し遅れて僕も外に出た。寂しかったし、もうちょっとだけみぃちゃんのそばにいたかったから。

 みぃちゃんはじっと立って、暗い空を見ている。ちらちらと光る、星のいくつかがはっきりと見える。僕もじっと空を見上げてみた。星と星が寄り添ってきれいだ。みぃちゃんもきれいだけど星もきれいだ。

 星と星ってずっと遠くにいるんだよね

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第2話 みぃちゃんと楽しい人生

 家に帰って夕食を食べている時、僕はみぃちゃんに言おうと思っていたことを思い出した。今まですっかり忘れていて、結局、ドンジャラやクローバー畑で遊んでから何も伝えずに帰ってきたのだった。
 みぃちゃんに人生の裏テクニックを伝えに行ったのに、伝える代わりに、人生についてみぃちゃんに語られたのだった。

 おいしいギョーザを食べながら、そんな風に考えていると、ピンポーンとチャイムが鳴った。
 「僕が出て

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