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陰嚢を切った話 その⑥

段々と麻酔が切れてきて、どうにかこうにか体が動くようになってきたものの管人間の状態ですし、実際にはほとんど動けません。なんとか洗面所まで行って水を汲んで来るのが精いっぱい。そしてまたベッドでダッチワイフに戻ります。
ほとんど動けなくてつらい。すぐに喉が渇いてつらい。腹が減って辛い。ついでに熱も出てきて辛い(高い時で38℃近くまで上がりました)。
ちなみにこの日は土曜日だったんですが、こんなにも早く時間が過ぎて欲しいと思った土曜日は多分人生で初めてです。
ただ麻酔が切れても不思議とあんまり痛みは感じませんでした。痛み止めは出すと言われていましたが、特に飲み薬が出されたりはしていないので多分点滴に入っていたと思われます。

夜も大して眠れませんでしたが、どうにか翌日の朝を迎えます。
例によって「これだけ?」と言いたくなる朝食が出されましたが、それでもこの時ばかりは沁みました。
その後もしばらくはこれまでとあんまり変わらない状況が続くわけですが、段々と体に刺さってたりくっついていたものが減って行って、少しずつ自由の身になっていく過程はありがたかったです。
1番最後まで付いていたのが左腕の点滴の針で、これがあると医療ドラマでよく見る点滴を下げる車付きの竿みたいのを押して歩かなくてはなりません。これもだるい。
これくらいの頃にはぼんやりしていた感覚も戻って来たのか、傷の痛みもだいぶはっきり感じるようになってきました。とはいえスパッと切った割にはそれほどでもなく、横になっていればほぼ無痛なのですが、立ったり歩いたりすると途端に痛くなります。どうも重力が関係している模様。ようわからんけど。

翌日は退院の日。正直状態に大きな変化はありませんが、とにかく自由の身になって家に帰れるので、ありがたく退院させていただきます。
最終日くらいちょっと贅沢したろと思い、朝食の後でコンビニでドーナツ2個買って食べたのですが、これは少々重すぎて胃もたれしました。

9時に退院。料金を払って、病院を後にします。よたよた歩きで。
外は思い切り暑くて、なのにこっちは半病人なので家に帰るだけで満身創痍です。

2日ぶりにシャワーを浴びる時にはめっちゃ沁みるんじゃないかと心配していたんですが、それは大丈夫でした。
さっぱりして気分は良くなりましたが、痛みは良くなりません。明日からすぐに仕事に復帰するつもりだったのですが、さすがにちょっと厳しいような気がしてきて、上司にはそれとなく連絡を入れておきました。
上司からはコロナで何人か休んでてヤバイとの返信が。
そもそもこの時期は夏休みシーズンでして、普段より人が少ない上にさらに人が足りない状態。
「可能なら出て欲しい。けど絶対無理はするな」とのことで、結局1日休ませてもらいました。

まーでも普通に考えたら、手術した後はしばらく傷が痛むって考えるのが普通で、そういうことを考えた上で休みを取っておけば良かったと大いに反省した次第です。

(つづく)

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