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WxY 2nd 振り返り

2024年1月27日に開催された地下クイズの大会『WxY 2nd』に参加してきました。その振り返りをしようと思います。
※大会ルールに則り、他のプレイヤーさんのことについてはほとんど触れません

・事前対策

事前の対策としては、まぁ例題を100問くらい作ってみたりはしたものの、知識を増やすというよりは「普段より早いポイントで押す」ことを意識したもので、基本的には自分の中で常識と思うものばかり。なので苦手ジャンルの穴を埋めるということはほとんどできていなかったように思います。

いつもは大喜利的な問題や、ある出来事の中から笑えるポイントに焦点を当てた問題ばかりやっているので、感覚がだいぶ違ってくるということは承知していました。あとは実戦で感覚を合わせていくくらいのつもりで。

他には私はとにかく人名をすぐ忘れるので、色々やらかした人の人名を覚える努力はしました。
普段は「○○事件を起こした□□が、学校で級友たちに付けられていたあだ名は何?」みたいな問題ばっかり作っているので、問題文側に入ってしまう人名は忘れがちなところがあります。


・いざ本番

会場は体育館みたいなところを想像していたのですが、舞台と客席がある劇場のような所でした。最悪立ちっぱなしも想像していたので、とりあえず椅子があって良かった。

まずはペーパー100問。恐らく早押しではあんまり勝てないだろうと思っていたので、自分の中ではペーパートップが当面の目標だったのですが、ちょっとこれは舐めていたというのが正直な感想です。
書き終わった時点では8割くらいできたかなという印象だったのですが、昼休みの時間に答え合わせをしていくとボロボロと取りこぼしが見えてきます。
中でも「つけびの村」の俳句を間違えてしまったこと、過去に自分でも出題したことのある重松清が出てこなかったこと、アトランティスの凡ミスなどが悔やまれます。
自己採点はおおよそ66~69点くらい。さすがにこれはトップは難しいだろうと思いましたが、やはり無理でした。ちなみに1位の方は75点だったそうな。
結局私はペーパー3位でしたが、これは2ラウンドでアドバンテージ3点を貰える1番いいポジションだったので結果オーライ。
ちなみに一緒に答え合わせをした方とそんなに点差がなかったはずなのですが、順位で10くらい差がついていたので、恐らく60点台後半がかなりダンゴ状態だったと思われます。


・早押しクイズ

第2ラウンドは4組に分けて5○2×形式の早押しクイズ。
ついに人生で初めてオープン大会で早押しボタンを押します。
想像通り皆さん指が早くてなかなか大変だったのですが、こちらは2回正解すれば抜けられるという気楽さもあって、2番手くらいで抜けることができました。しかも2回目の正解は「小原保」を「こはらたもつ」と読んでしまったところを、「別の読み方で」という優しいジャッジをしていただいて助けられました。ああいうのも、大会によってはきっと即バツなのでしょう。

悩んだのが第3ラウンドです。ここでは4つのルールで行われるステージの1つに参加して戦うのですが、やったことのない形式ばかりで何が自分向きなのかさっぱりわからず。
リスキー故にみんな敬遠しそうな「10 up-down」がいいのか、正攻法で「10 by 10」がいいのか、その間を取って「Freeze 10」や「Swedish 10」がいいのか。
結局最後まで考えがまとまらず、他の人の顔色を窺って決めるというセコい作戦に出て「10 by 10」に出場。
結果的にこのステージを選んで良かったのか悪かったのかは判断に苦しむところですが、クイズの内容としては悔いが残るものになってしました。

まず最初にボタンを点けた「中ピ連」の正式名称を答える問題では、「解放」の2文字が思い出せなくて誤答。ここでいきなり得点が9×の状態からスタートすることになります。
周囲の早押しに翻弄されながらも、中盤から少し盛り返すことができたのですが、それ以上に誤答が多すぎました。
勝手に間違えて覚えていた「扇風機おばさん」、うろ覚えのまま押してしまってタイムアップになった「シアリス」、そしてタイムアップ前に読まれたラスト問題での「ウェット・トラスト」。
これらの誤答により自爆する形でこのラウンドで敗退。特にラス問は頭の中で答えが出ていたのに、口に出すのをためらっているうちにタイムアップという冴えない落とし方。同じ誤答をするのでもこういう場では何か言わなきゃいけないんだなと痛感しました。


・観戦者として

一応敗者復活はあるものの、これ以降は観戦者として気楽になりゆきを見守っていきます。(ちなみに敗者復活戦は落ちました)
全体としてやはり早押しが相当にするどい。特にクイ研勢と思われる人たちの中には、びっくりするようなポイントで押して正解する人たちがいてびっくりします。(大事なことなので2度言いましたが、本当にすごかった)
なんとなくの想像ですが、あれは詰将棋の逆算のやり方で押しポイントを研究しているのかなと思いました。
詰将棋の場合、どんな長手数の問題でも、答えのところから逆算して行けば3手詰、5手詰の簡単な形に戻すことができます。そういう風に「この問題はここまで聞けば、この後こう続く公算が高いから押せる」みたいにしているんじゃないかと。
その想像が合っているかはともかく、早押しのポイントを研究するという頭が自分の中にはないので、その熱意にはただ感心するばかりです。

第3ラウンドでも優勝候補と思われるような方々が脱落して行って、やはり厳しい戦いであることを実感します。
また将棋の話に例えますが、クイズ大会というのは奨励会のようなところだなと思いました。
どんなに実力があっても、それを実戦で証明しないことには上には行けない。証明できなかった人は「敗者」として一括りにされる過酷な世界。
現在女流棋界の二強とされる福間香奈女流四冠と、西山朋佳女流四冠は共にプロ四段までかなり近づいた経験があります。実際棋力という面においては、お二人とも十分なものを持たれていると思いますが、残念ながらそれを証明するには至りませんでした。この件に関しては将棋ファンの間ではいろいろ意見はあるのですが、私はこれはこれでいい派です。

ちなみにプロに上がっても将棋界が厳しい世界なのは同じですが、奨励会に例えたのはやはり敗者には何も残らない点でこっちの方が近いかなと。プロは負けてもプロですが、奨励会員は負ければただの人になってしまいます。
それと現状の地下クイズ界の成熟具合というのも、将棋界で例えればまだ奨励会くらいなんだろうなと思っています。
びっくりするような早押しが出るようになってはいるものの、そういうベタ化された問題は、恐らくまだ総数で1000あるかないか、多くて2000程度なのではないかと。クイズというゲーム性を考えれば、これは砂浜の砂一掴み程度。トッププレイヤーであっても、棋士に例えれば恐らく奨励会三段くらいに見立てるのが妥当なのかなと思っています。

それだけにこのジャンルはまだまだいくらでも開拓の余地があるはずです。
勿論どこまで突き詰めるのかは、個々人の「楽しくやれる範囲」を越えないレベルでいいのですが、将棋界における藤井聡太のような、知識レベルと競技者レベル双方で突き抜けた存在が現れて、周囲を引っ張っていくような存在がいつか現れるのかもしれません。

・・・もっとも私個人としては、地下クイズがそこまで盛り上がることにはあまり賛同しないのですが。
我々は闇に隠れて生きながら「早く人間になりたい」と言ってるくらいがちょうどいい気もします。

決勝戦は3ラウンド先取した人が優勝というルールで、全員が2ラウンド以上を獲得という見応えのあるバトルでした。あの舞台でボタンを押すという緊張するシチュエーションであのパフォーマンスを発揮したお三方には敬意を表します。
私も客席からの気楽な立場では「決勝出ても結構勝負できたな」とか思ってましたが、力を証明できなかった人間にはそれを口に出す権利はなし。


・次に向けて

今回は負け方がよろしくなかったので、次があったらまた頑張りたいと思う反面、あれだけ早押しのレベルが上がっているとなると、正直もう厳しいなという思いもあり・・・
ただ優勝者は、なるべく早く第3回を開催すると宣言されていたので、はっきり衰えを自覚する前に再挑戦する機会があるのなら、やってみようかなという気持ちではいます。

いずれにせよ、早押しポイントの研究みたいなことは自分にはできないのですが、もうちょっと精度を高めていけば、多少は上に行けそうな手応えはあったので、これまで通りに日々コツコツやっていく所存です。


・対策問題

事前に作った対策というか早押し練習用の問題を公開します。
今更な内容のものばかりですが、フリバ用にでも使ってください。


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