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未完【短編小説】新宿

 僕は死のうと思っていた。
 新宿をぶらぶらと歩いていたとき、ゆり、と出会った。
 ゆりは、小説や学問が好きだ。
 僕は小さいボロアパートに住んでる。
 僕はタバコを吹かしていた。
 後ろから、ゆりが抱きつく。
「どうしたの?」
「ねー、新宿いかない?」
「いいけど」
 新宿へと出歩く僕たち。
 良さげなラブホテルがあった。
 部屋の中には回転式ベッドがあった。
「ハァハァ」
 ゆりがあえぐ。
 果てた僕は、ゆりとキスをした。
「なぁ、ビルから飛び降りないか」
「心中?」
「こんな人生、もうおしまいにしたい」
「もう」
 ゆりと死ねれば、こんなに幸せなことはない、と思った。
 

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