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定番ナマズ料理

はじめに

ナマズは国内ではメジャーな食材と言えませんが、大型で可食部が多いため世界的にみれば広く食べられています。ナマズは大規模に養殖もされており、2008年の生産量の順位では、第1位パンガシウス、第2位チャネルキャットフィッシュ(アメリカナマズ)、第3位マナマズでした。

栄養価

食品成分表でナマズと代替できそうな食材の栄養価と比較してみました(魚種や部位ごとに成分が異なると思いますので目安として)。

食品標準成分表(100gあたり)
ナマズ(水分72.0g 蛋白質18.4g 脂質 8.6g 炭水化物 0g)
ウナギ(水分62.1g 蛋白質17.1g 脂質19.3g 炭水化物0.3g)
タイ (水分72.2g 蛋白質20.6g 脂質  5.8g 炭水化物0.1g)
タラ (水分80.9g 蛋白質17.6g 脂質  0.2g 炭水化物   0g)
フグ (水分79.3g 蛋白質18.9g 脂質  0.4g 炭水化物   0g)
ヒラメ(水分76.8g 蛋白質20.0g 脂質  2.0g 炭水化物   0g)
鶏卵 (水分76.1g 蛋白質12.3g 脂質10.3g 炭水化物0.3g)
ササミ(水分73.2g 蛋白質24.6g 脂質  1.1g 炭水化物   0g)
豆腐 (水分86.8g 蛋白質  6.6g 脂質  4.2g 炭水化物1.6g)
                                                                日本食品標準成分表2015年版に準拠 
                                                                https://www.fashion96.com/food-list/

ナマズの脂質の量はウナギの1/2なので、ウナギの代替と捉えると物足りなさはあるかもしれません。しかし、他の代表的な白身魚と比較すればナマズは脂がのった魚といえます。一般的に魚類の脂質は必須な不飽和脂肪酸が多いため健康によいのです(それらの脂肪酸は熱に弱いので、生食できないのは残念ですが)。

アメリカナマズの身が黄色なのは、サケの身が赤いのと同じ理由でカロテノイド色素(ナマズの場合は目に良いとされるルテインやゼアキサンチン)の沈着によるものです。色の分布が不均一なのは筋組織の違いによって色素の沈着の度合いが異なるためです。

Tips 

淡水魚は筋組織に寄生虫が潜んでいるので生食はお勧めできません(自己責任でお願いします)。特に用心したい寄生虫のひとつに顎口虫があります。体長0.5~4 mm(目視確認は困難)で体内に入ると、肝障害の他、場合によっては視神経や中枢神経に重篤な障害がでる恐れがあります。

内閣府食品安全委員会の資料によると顎口虫は加熱の他、冷凍でも死滅させることができます。冷凍による死滅の条件は-20℃で約5日とのことで、淡水魚の生食を提供する業者はこの基準に則って処理しているようです。なお、家庭用冷凍庫では-20℃以下までしっかり冷えていない場合があります。ちなみに、養殖アメリカナマズを生食した方の感想によるとフグやヒラメに近い味わいだそうです。
             http://www.fsc.go.jp/sonota/hazard/H22_31.pdf

はじめてのナマズ料理4選

ウナギの代替として蒲焼を試す方もいますが、私はフライ、ソテー・ムニエル、天ぷら、唐揚を試して欲しいと思っています。我が家は、ナマズを毎日食卓にのせることをコンセプトに取り組んでいますが、時々しかナマズを食べないのであればこの鉄板メニューで十分です。また、ナマズには小骨がほぼないため、それが理由で魚が嫌いな方にはうってつけの食材といえます。

フライ 
現地でよく調理される王道メニューです。ソースやタルタルソースをかけまて食べますが、タラより美味しいような気がします。応用としてフィッシュバーガーにすることもできます。

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ソテー・ムニエル
小麦粉をつけてフライパンで焼けばムニエル、つけずに焼けばソテーと呼ぶのだそうです。どちらもバターガーリック味にしました。応用として昆布茶、塩、ブラックペッパー、小麦粉をつけて焼いても美味しいです。

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天ぷら
マナマズは天ぷらで食べるのが一般的ですが、アメリカナマズでも美味しく頂けます。応用例に天ざるうどんや天丼があります。個人的には天つゆよりも甘じょっぱいタレで天丼にするのが好きです。

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唐揚
全長60 cmを超える大型の個体におススメの調理法で、旨味も脂身もある鶏肉って感じがします。鶏肉と違って火を通しても硬くならないところもメリットです。ファストフードとして茨城のコンビニに置いても良いレベルです。

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その他の料理

ウナギで定番の蒲焼風、ドジョウで定番の柳川風を試してみました。

蒲焼風
ナマズは古くから蒲焼でも食べられていますが、ウナギの1/2の脂質量なのであっさりめの仕上がりになります(それが好みという方もいます)。トーチで皮目を焼いた後、酒蒸し、フライパンで煮アナゴのように調理し、できるだけ脂を逃がさないよう気を付けました。ひつまぶし状にするとナマズにタレが絡んでなお良いです。

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柳川風・卵とじ
ドジョウで定番の柳川ですが、ナマズでも牛蒡の風味がよく合います。皮を剥がした身を使いましたが皮付でもいいかもしれません。牛蒡がない卵とじだけでも卵黄がナマズの脂分を補っていい味になりました。

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