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DEAR FRIENDS_自叙伝

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今と過去の私をつなげるエピソードで綴られるエッセイです。 半分は「過去」。今までの自叙伝の欠片〜「DEAR FRIENDS」 半分は 「今」。現在のダイアリー〜「NEW ME」…
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2022年3月の記事一覧

DEAR FRIENDS_自叙伝1960年

商店街は私のHOME TOWN新宿区市谷薬王寺町。 私の生まれ育った町。 周辺には、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地(現防衛省)、フジテレビ(台場に移転)、女子医大、大日本印刷などがあった私のテリトリー。 四谷3丁目方面から牛込柳町を抜ける外苑東通りの小さな町。 自衛隊側から続く、薬王寺町から柳町にかけての通りは、まさに昭和の店々がつらなる商店街。 とにかく賑やかで活気がありました。今でも私が郊外型の住宅街が苦手なのは、この賑やかさの中で生活をしていたからです。 静けさは今でも苦手。

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DEAR FRIENDS_自叙伝1970年01_drop out

暗雲60年代後半には小学校の中学年になり、私の運命も変化します。 時代は70年代へ。 それまでカラッと晴れ渡っていた1960年代の元気な理絵ちゃんの毎日に、少しずつモヤモヤとした暗雲が立ち込め始めます。 まぁ、自分にまったく将来像がなかったのもいけなかったのですが、10歳くらいの私にはまだまだ自分の未来ことなんて何も浮かばないのが現状。 世界は未だ夢の中…でも現実は成長と共に変わっていく。いわゆる悩める思春期にここから突入。 70年代頭から押し寄せたお受験の波が私と、

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DEAR FRIENDS_自叙伝1970年02_dear meショートストーリー

16歳。 この春、高校は捨てた。 だって窮屈。退屈。先が見えない鬱屈感。 だから、私は今、何者でもない。 だけど、必ず私にしか出来ないことで 自分の未来を見つける。 中高一貫私立女子校、規模も規則もマンモスの高校をドロップアウト。 とにかく、あのどうしようもないセンスの灰色の3シーズンコートを着て、軍隊のように列を作り、あの狭められた鉄の門を潜りたくなかった。 それも毎日。あきれる。 ブービートラップ。 校内へ進むには罠だらけ。 私を誰が捕まえるの? 初夏の向かい風の

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