「ショートゴロ」の実況を考察してみた。
高校野球中継には大きく分けて「ラジオ」と「テレビ」の2種類がある。
個人的にテレビで野球中継を見る機会が大きいのでテレビの中継における実況アナウンサーが何を考えて中継しているのか、を考察してみる。
まず、「野球実況」の仕組み。
大きい枠組みから
「試合」
「イニング」
「表と裏」
「打者対投手」
「1球」
というふうに細分化していくことができる。
あくまで試合の中での両チームの目的は「勝つこと」であり、そのために「得点を取って、失点をしない」、「ピンチを招かない、チャンスを作る」といった細かい目的が存在していく。
今回は「打者対投手」のシーンで考えてみる。
ピッチャーが投げて、バッターがショートゴロを打つシーン。
シンプルに描写すれば
「ピッチャー第◯球、投げました!」
「インコースのストレート打ちました!」
「詰まったあたり、三遊間のゴロ!」
「ショートが捕って一塁へ送球、1アウトです」
となる。
ここにいかに「厚み」を持たせていくかが実況アナウンサーの腕の見せ所である。
ただ、現段階では情報が足りなすぎるので打順と今日の打撃成績を足してみる。
例えば「2打数2安打の3番バッター」との対戦だとする。
とすれば、まず打席に入る前に
「この回、◯◯高校はクリーンナップからの好打順。今日2安打と好調の3番◯◯が打席に入ります。」
という枕詞がつくだろう。
これだけでだいぶ雰囲気が出てきた。
その3番バッターを打ち取ったわけだ。
とすれば実況の中で
「初めてこの打者を抑えたこと」
「ランナーを出さずに4番を迎えられたこと」
「流れが少し守りのチームに傾きそうなこと」
といった情報を「ショートゴロ」のシーンかその後に盛り込むべきである。
例えば
「詰まったあたり」
が
「詰まらせました!!!」
になるかもしれない。
「三遊間のゴロ」
も
「しかし難しいところ!!」
となるかもしれない。
そこでショートがアウトにできたのであれば
「ショート◯◯!よく捕った!」
「好プレーが出ました!ピッチャーを助けます!」
といったフレーズが出るかもしれない。
ざっと考えてこれだけのバリエーションがある。
恐ろしいことに打順と今日の打撃成績を足しただけでここまで幅が広がる。
本当の実況ではこれに加えて、
「打者のタイプは?」
「ピッチャーの得意なボールは?」
「今どっちが勝ってる?」
「次のバッターは当たっている?」
などなどもーっと情報が多い。
その中で瞬時にプレーを即時描写し、最適なコメントを発さなければならない。
うーん。
やはり野球実況は奥が深い。。。
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