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名実況『無言の48秒間』

実況オタクくんです。

今回のテーマは「無言」の話。

野球中継を見ていると基本的には実況と解説が何かしらの話をしている。

特にピンチ、チャンスになると

実況も

「さあ〜!満塁になりました!」

と、喋りのギアを上げて

今後の展開を煽るのが定番。

しかし、

視聴者が本当に息を飲むような瞬間の時こそ、実況アナウンサーは「黙るべき」である。

そう、喋りで伝えることが仕事の実況アナウンサーが「喋らなくてもいい」場面があるのた。

黙ってこそ、球場の音が鮮明に聞こえ、視聴者は球場にいるかのような緊迫感を味わうことができる。

もう一点もやれないという苦しい場面で、汗が滴るエースの表情のアップに

「ピッチャーの額にも汗が滲んでいます」

なんてフレーズを言っても

帰って興ざめしてしまうのではないだろうか。

実況アナウンサーだからこそ、

あえて「無言」をコントロールする。

伝える手段としての「間」なのである。

最近の甲子園で、この「無言」を使った有名なシーンが

2018年の夏の甲子園

金足農業vs近江の試合。

現・日ハムのエース、吉田輝星を要する金足農業は9回の裏、ツーランスクイズでサヨナラ勝ちを収める。

2塁ランナーが一気にホームに帰ってきた際に、

『サヨナラ〜!!!』

と言ってから、

歓喜に沸く金足農業のナイン、

顔面蒼白の投手、

ホームに突っ伏したキャッチャー、

異様な雰囲気の中、両チームの選手が整列するまで

実況は一言も発さない。

その間、『48秒』

ぜひ興味があればYouTubeで見てほしい。

これが「無言の名実況」である。

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