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ある日の日記


ある日、夢を見た。

とあるフォトグラファーさん(ほぼ初対面)との撮影で、自分が全くポージングなどができず、
序盤早々にして「もう帰っていいよ」と言われ帰らされるという、まさに悪夢だった。

良い夢でも悪い夢でも、何かしら誰かが夢に出てくると、なぜかその印象をしばらく引きずってしまう。
そんな経験ありませんか?

それが一番悪いタイミングで来てしまった。
(おそらく前日そのことを考えすぎて)

夢から覚め、私は「弾丸東京日帰り旅」の支度を始めた。
外は、雨でも降り出しそうな空模様である。

さて何のために東京に行くのかというと、
4 Silent Birds 様が主催する『サマーガールオーディション2024』のセミファイナル選考の課題であるコラボ撮影だ。

仕事柄、初対面の方とお会いすることは少なくないのだが、何故か今日はいつにも増して緊張する。きっとあの夢のせいだ。

胃がきゅうっとなる思いで新幹線に揺られていた。(私は案外、気が小さい。)

お昼の12時ごろ。待ち合わせの原宿駅に着いた。
天気はややどんよりしている。

原宿駅界隈は、平日にも関わらず人が多い。
特に海外の人が多い。
円安の影響なのか、コロナ明けだからなのか、元からそうだったのかは、私には分からない。

東京の街を歩いていると、お洒落な人や綺麗な人で溢れていて、自分の事が凄くすごくモブキャラのように感じてしまう。
ドラ○エで例えると、スライムくらいだ。(たぶん被害妄想)

13時半。待ち合わせの時刻になる。
今朝の夢のことと、久しぶりに来た慣れない土地での不安も相まって、私の緊張はもはや限界状態である。

待ち合わせ場所には、フォトグラファーのオオォさんと、アシスタントのユコさんのお二人で来てくださった。

お二人の温かい空気感のおかげもあり、挨拶を交わした途端、緊張や不安が解けていく。
(意味不明な夢を見ていた事がもはや申し訳ない)

おそらく人間は、"未知"というものが一番恐怖なのだ。

(ちなみに夢の話は後ほどお話ししました)

今日の撮影は「夏」をテーマに、自分の決めたカラーとメッセージ性を組み合わせた作品を作る。

私の決めたカラーは、青と黄色。
自分的には、私のイメージは赤なのだが、今回は色んな意味で自分のイメージを打破してみたかったので敢えて違う色にした。

撮影のイメージとしては、2パターンの衣装で
対比する「夏」を表現したいと考えていた。

1つ目の「青」。
____夏の始まりは、なんだか何でも出来ちゃいそうな、不思議なエネルギーに溢れている。
毎年夏が訪れるたび、何かが起こりそうな予感がする。
そんなワクワクに溢れた気持ちを、動きのある衣装で表現した。
(ちなみに青の衣装×青空というテーマだったのでかなり賭けではあったが、なんとここで快晴になってきた…!)

他の作品はX, Instagramにて🔍


そして2つ目の「黄色」。
____ギラギラとした夏、という一方で、
夏はエネルギーを貰える季節であると同時に、一瞬で過ぎ去ってしまう季節でもある。
夏の終わりは、なんだか切ない気持ちになる。
そんな "儚さ" を、夏の夕日に溶け込んでしまいそうな黄色のワンピースで表現した。

他の作品はX, Instagramにて🔍


「夏」は、二つの側面を持っている。
強くもあり、儚くもあるからこそ、美しい。____

撮影が始まるまではあんなに不安に潰されそうで自信の無かった私だが、作品の世界に入り込んでいくうちに、すっかりそんな気持ちはどこか遠くへ行ってしまっていた。

そして、オオォさんが撮ってくださる作品は、まさに力強くもどこか儚げで、何だかどこかで感じた事のあるような懐かしい気持ちにもなった。
一言で表すと「凄い」だった。(語彙力は母のお腹の中に置いてきてしまった)

一瞬で(のように感じただけかもしれないが)撮影が終わり、解散する。
このお仕事をしていてほぼ毎回思う事だが「またいつか、どこかでお会いできますように」。
今日も素敵な出会いだったな。

ふと、朝から今(夕方)までカフェラテ1杯しか口に入れていなかったことに気づいた。

その後大阪で予定があったので、そのまま新幹線に乗る。

大阪駅のエスカレーターを降りていると、前に乗っていた数人がぞろぞろとスマホを空に掲げ始めた。

なんだろうと顔を上げてみると、真っ赤に染まった夕焼けが、力強く雲を照らしていた。

思わず私もパシャリ

そして私はまた、歩き出す。

今朝のどんよりとした雲は、まるで嘘のような夕焼けだった。

▼4 Silent Birds『サマーガールオーディション2024』

photo: オオォさん (X: @ooxo_web)

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