少女☆歌劇レヴュースタァライトのヤバさを語っている人間はごまんといるし今更目新しいものはないがそれでも少女☆歌劇レヴュースタァライトを語らせてはくれまいか

 少女☆歌劇レヴュースタァライトが好きだ。何が好きかと言われたら、最適すぎて奇妙に感じられるが、それもまた風味として作品に味を与えている演出。繊細で、面倒くさくて、情熱的で、現実的な人間関係。キャラクターという記号に収まることのない、それぞれのきらめきを持った登場人物たち。その登場人物に“合わせた”至高の楽曲たち。歌声、演技、舞台。進むにつれて加速するぐちゃぐちゃ。なのに美しいフィナーレを迎える物語。大好きだ。
私がスタァライトとであったのは高校一年生のころ。当時、私は『アイドルマスターシャイニーカラーズ』にハマっていて、X(旧ツイッター(←これ面白すぎる))でもそれに関連する人をフォローしていた。ある日、タイムライン上に「劇スがヤバい」「スタァライトされちゃった……」「🍅🍅🍅」というワードがよく見られるようになった。なにやら劇場版少女☆歌劇レヴュー某という作品がやばい。TVアニメシリーズがYouTubeで無料配信してるよ、というらしい。興味が湧いたので見てみることにした。
ヤベッっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっだっっっだだたっっっっだだ(階段から転げ落ちる音)
すみません、激やば作品でした。いやね!?一話の中盤までは「美少女日常系?あるある笑こういうの笑」という気持ちで見てたけどそっからよ!愛城華恋がきらめく舞台に飛び込み参上する場面!あそこの、アタシ再生産のシーンでもう““““心””””が震えてさ。痺れまくってさ。俺はこの作品で人生が変わるかもしれないと本気で思った。その予想は遠からず当たっていて、俺の進路に影響を与えたとかではないが、考え方や芸術の見方、そういう心の豊かさの土壌をこの作品のおかげで作ることができた。
そっからは無料配信を一週間で見て、週末に劇場にそのテンションのまま足を運んだ。余談だが、最終回の例の東京タワーがぶっ刺さるシーンは興奮しすぎて本当に酸欠になった。
劇場版少女☆歌劇レヴュースタァライト。(ロンド・ロンド・ロンドじゃないよ!)こいつの存在によって少女☆歌劇レヴュースタァライトという作品が“名作”から“伝説”に昇華したと思う。TVシリーズの消化不良な部分を消しつつ、さらにパワーアップしたバカ演出(褒めてます)。映画の音響に合わせたサイコーの音楽。TVアニメシリーズが「戯曲スタァライト」の完走だとしたら劇場版は「少女☆歌劇レヴュースタァライト」の終幕。花柳香子が、石動双葉が、大場ななが、星見純那が、西條クロディーヌが、天堂真矢が、露崎まひるが、神楽ひかりが、愛城華恋が、少女☆歌劇レヴュースタァライトとさよならをする。列車は必ず次の駅へ。丁寧に合わす衣装のように私にピッタリの未来が待ってるんだ。
『私達はもう舞台の上』最高ですよね。大好きです。あれを聞くときはちゃんと準備する(服を着る、風呂に入る、歯を磨く)ぐらいには大好きです。それ故にミックス再生とかで急に流れると、予期していなかった突然の感情の土砂崩れに心が耐えられなくなってしまいます。
あの歌の詞は肯定であり、感謝であり、祈りです。映画の内容だけだとスタァライトとお別れしようとなり悲しくなってしまいますが、「君の言葉あれば今すぐに戻れるよあのページ」のような一節がこの切なさを肯定してくれる。劇スはこの歌と切手は切り離せない関係。この歌があるからこそ完成するのではないでしょうか。
あと好きなカップリングの話だけさせてください。すいませんねなんか下世話で。
真矢クロが好きです。今回は受け攻めは配慮してません。舞台少女に情慾を抱くな!
この二人の何がいいって、因縁の中身ですよね。スタァライトって面倒くさい関係多いじゃないですか。双葉と香子とか、ななと純那とか、主役二人も結構重いと思う。そんな中で、天堂真矢と西條クロディーヌの二人、なんの因果で結ばれているのか。それは舞台少女としての“実力”。彼女らは俳優の格で戦っているんですよね。その純粋さ。実力同士の熱。互いが互いを認め合う、尊敬し合うから起こるぶつかり合い。それが好きです。すんません、さっき“純粋”とか言ったけど嘘です。こいつらも大概めんどくさいです。お互いめっちゃ意識しあってて「天堂真矢は負けてない」だの「貴女は美しい」だの。結局こいつらはこの先も戦ってくよ〜みたいな最後だったし。でも舞台少女として一番純粋なカップリングはこの二人だと思う。なので真矢クロが好きです。
スタァライト、最高〜!(ジャンプする)

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