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chickii
泣きごとをいわせて
ふとつけたラジオで聞いた吉田拓郎。
♪今日までわたしはいきてきました
そして明日からも生きていくだろうと♪
わたしは生きている。
還暦からいちねんが過ぎた。六十一歳。
性欲はある。
歯もある。
ないものがある。
庄司薫が芥川賞をとったとき、高校生だったわたしは小説家になろうとおもった。
夏目漱石もなめていた。(いい文章書くじゃありませぬか)
自分の限界を知るのが二十歳。じゃ、せめて児童文学作家になろう。
児童をなめていた。
先日ふとつけたFMで拓郎が流れた。わたしは泣いたことがない。(たぶん)
オレはたしかに生きている。のかな。
吉田拓郎には泣きそうになった。
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