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ブナ原生林 白神山地をゆく
根深誠著「ブナ原生林 白神山地をゆく」。
四十年ほど昔、それ以前の白神山地が、まだまだ自由だったころの話しや、マタギの暮らし、釣りや登山のことなどが書かれている。
そんな自由な時代の白神山地なら行ってみたいが、世界遺産になってからは、気を使って歩いたり、釣りをしたりするのは、真っ平ごめんだ。
それなら、大出から薬師を越えたり、横通りを小田越まで歩いたほうが、誰にも気を遣わずに、誰とも会うこともなく、気ままに歩いたほうが面白い。
焼石の平七沼のルートや、小胡桃山から大胡桃山、そして秘境小出川源流部まで、釣りの旅なんて、うっとりしてしまう。
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この先は人間の立ち入りが許されない
そんな気配がしてならない
それでも、白神山地の昔には、心惹かれてしまう。
著者の根深さんも同じ想いなのかもしれない。
クマがいて、岩魚が棲み、シカやサルが遊んでいた。
空には、クマタカやイヌワシが舞い、クマゲラが普通に住んでいる、そんな自由な世界の白神山地に、迷い込んでみたい。
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すべては人間しだいだね
251ページからはじまる「森と渓流の挽歌」を読むと、切り刻まれていくブナの森の悲鳴が聞こえてくるし、過疎からの脱却とか経済格差の解消などという言葉に踊らされて、ダムをつくり、林道を通し、最後は青秋林道を何が何でも通すんだという、為政者との闘いは、40年経った今でも、何も変わっていない、そんな気がしてならない。
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