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アマテラスとヤマトタケルのLGBTQ+

古事記に記されたアマテラス(日本で最初に男装をした女神)とヤマトタケル(日本で最初に女装をした英雄)のエピソードは、古代日本におけるジェンダーの流動性や柔軟な役割認識を示唆する興味深い例です。これらの物語を通じて、古代日本の社会におけるジェンダー観と現代のLGBTQ+に対する理解や受容について考えてみましょう。

アマテラスの男装
アマテラスが弟のスサノオに会う際、攻撃されると誤解し、自分を守るために男装したエピソードは、彼女のリーダーシップと戦士としての一面を強調しています。これは、女性でありながら男性的な役割を担うことが許される、あるいは必要とされる状況を示しています。

ヤマトタケルの女装
ヤマトタケルが敵を欺くために女装し、熊襲健を討った話もまた、ジェンダーの柔軟性を象徴しています。このエピソードでは、ヤマトタケルの知恵と戦略的な行動が強調されており、性別を超えた行動が重要な場面で取られています。

古代日本におけるジェンダー観
これらのエピソードは、古代日本におけるジェンダーの柔軟性や多様性を示していますが、これをもって古代日本が現代のLGBTQ+に対して寛容であったとするのは過度の一般化なのか。以下に、その考察を述べます。


  1. ジェンダーの役割と流動性:

古代の物語では、特定の状況下で性別の役割を超える行動が英雄的、あるいは神聖なものとして描かれることがあります。アマテラスの男装やヤマトタケルの女装は、特殊な状況において重要な役割を果たすための行動として描かれています。

これらは現代のLGBTQ+の問題、すなわち性自認や性的指向の多様性をそのまま反映するものではありません。しかし、性別に対する柔軟なアプローチを示している点で、ジェンダーの多様性について考えるきっかけを提供します。


  1. 社会的背景:

古代日本の社会では、ジェンダーに対する固定観念が現代ほど強くなかった可能性があります。神話や伝説に登場するキャラクターが、特定の目的のために性別を超えた行動をとることが自然に受け入れられていたことは、社会的な柔軟性を示しています。
しかし、それが日常的な社会生活でのLGBTQ+に対する寛容さを意味するわけではありません。神話的な物語と実際の社会的な受容性には違いがあるかもしれません。

  1. 現代の視点からの考察:

現代におけるLGBTQ+の問題は、個人の性自認や性的指向を尊重し、平等な権利を保証することに焦点を当てています。古代の物語を現代の文脈で解釈する際には、時代背景や文化の違いを考慮する必要があります。

アマテラスやヤマトタケルのエピソードは、現代のLGBTQ+に対する理解を深めるための歴史的・文化的な参考として価値がありますが、それをもって古代日本が現代と同じ意味でLGBTQ+に寛容であったとするのは難しいでしょう。

アマテラスとヤマトタケルのエピソードは、古代日本におけるジェンダーの流動性や柔軟性を示す興味深い例です。この物語は、日本においては特定の状況において性別の役割を超える行動が認められていたことを示しています。つまり日本は古代からLGBTQ+に対して寛容であった。みなさんはどう思われますか。

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