フランス、モロッコ旅=モロッコ編=
夜の11時ぐらいに モロッコ タンジェ国際空港に着いた。
到着前から心配していたのは深夜到着での両替だった。
モロッコはまだ現金主流の国で現金がないとタクシーにも乗れない。
幸い両替ショップは開いていたので、レートの悪さを考えて少しだけ両替しておこうと考えていた。
ところが「400ユーロ両替するとレートがいい」と言う。
両替額も指図してくるモロッコ。ウザイと言われるのはこういうこと?
夜遅いのに7歳ぐらいの女の子たちが「 ウェルカム トゥ モロッコ!」 叫びながらふざけて笑っていたのはとっても可愛かった。
青い街 シャウエン
シャウエンは長閑な街だった。ホテルから観光地である旧市街に行く道では、ヤギの散歩もみかけたし、野良犬ものんびり歩いていた。
足元は動物たちの落し物でいっぱいで、気を付けて歩かないといけなかった。
旧市街はごちゃごちゃついていたけれど、あちこちに猫がいたり、カラフルな小物が売っていたりゆっくりした雰囲気だった。
商品が何なのかわからないお土産屋さんがあって、色とりどりの固形石鹼みたいなものが売られていた。英語で何を聞いても、「イエス」と返ってくる。
Googleで調べてみたら固形香水のようだった。とても良い香りなのでゴマ団子のような固形香水と香り付きオイルをお土産に買った。
フェズ
フェズの街には夕方に到着した。軽く夕食を済ませようと近くの雑貨屋に行った。
店に入り冷蔵庫を開けヨーグルトを手にしたところ、庫内が全然冷えてない。
ヨーグルトも常温だった。
食べてもお腹を壊すことなかった、良かった。
フェズの旧市街はシャウエンとは比にならないくらい賑やかでごちゃごちゃしていた。
ニオイも凄い、いろいろなものが混ざったニオイだろう。
車が通れないくらい細い路地が入り組んでいて、店の前にも商品がせり出ている。
大きな重い荷物を運んでいる悲しい目のロバの姿を見るのが辛かった。
一見、親切そうな男の人が「案内するよ、無料だよ」と声をかけてきた。周りの現地の人も「彼はいい人だから任せていいよ、安心だよ」といっている。
絶対ダメな感じがしたけど、私たちは8人いるのでちょっとついて行ってみた。
Googleマップで辿りながら案内されるままに進んで行ったが、人気のない妙な方向に向かっていることに途中で気づき、離れた。
Googleマップがなかった時にはこうやってだまされ、奥に連れていかれ脅されお金をとられていたのかもしれないと思った。
それから旧市街の奥にあるタンネリという皮なめし地区に行った。
皮独特の強烈な臭いがする。ミントの葉を鼻の穴に詰めて臭い対策をすると良いと聞き、詰めてみた。効果抜群!
そこではバブーシュというスリッパを買った。いま、自宅の部屋にあるが、未だに強烈な臭いがする。
入り組んだ迷路のような街は、強い太陽の光が差し込まないし、風通しが良く 暑さをしのげる適した造りなのだなあと思った。
サハラ砂漠
夕方到着した。日差しが強い日中でなければ、そんなに気温は上がらず 20°cくらいだった。 ラクダは体が太く、乗ったら股関節が痛くなるほどだった。
砂漠は静かだった。無音。静かで怖い。
深夜2時ぐらいに起き、夜空を一人で眺めた。
テントから3メートル も離れると真っ暗で怖くて動けないほどの暗闇だった。
空を見上げると 無数の星がみえた。 天の川が見え 1分も見ていると流れ星が ヒュンヒョンと飛び交うのがみえた。きれいだった。
静寂と暗闇の中で私はここでは生活できないと思った。
人生観が変わるとかそんなことはなく、私はやっぱり今の日本の生活が好き、と改めて感じる体験だった。
マラケシュ
イブサンローランが好んだマジョレル庭園に行くためにタクシーを拾った時の出来事だ。
先ず値段を聞き、15DHと契約して乗ったのに、乗っている間にわけのわからないことをしゃべりだし、50DHにごまかそうとする運転手!
ちょっと気を緩めるとすぐにだまそうとするのが普通なのか?これもウザイ国と言われる理由の一つか。
モロッコ料理教室にも参加した。
作った料理は 鶏肉レモンタジン鍋、 ミートボールタジン、 パスティーヤ( 春巻き のようなもの)といちごのデザートだった。
参加者は20人くらい。私たち日本人、イギリス人のリタイヤ夫婦、イギリス人の若い女の子二人、多分スペイン人だと思われる家族連れだった。
食材を市場に買い出しに行くところから始まった。
市場は見慣れない野菜や何だか分からないものがたくさん。いろんな臭いが混ざっている。
衝撃的だったのはお肉屋さん。生きた 鶏がそのまま店の中の足元にいっぱいいる。餌も水もおいてあるし。 それが商品になっていく。鳴き声もきこえる〜。
調理は「スパイス、一つまみ」とか、「ほんの少し」、「べりべりスモール、カット」などざっくりな指示だったが、旅行中に食べたモロッコ料理の中で一番美味しかった。
ジャマ エル フナ広場はモロッコらしいウザい体験ができた。
「死者たちの広場」の意味だそうで、かつては処刑場だったらしい。
そんな雰囲気は微塵もなく、大道芸人や屋台がたくさんあって賑わっていた。
外国人を見つけるといろんな国の言葉で話しかけてくる。
「 こんにちは」 だったり「 ニーハオ」 だったり。
日本人だとわかると「こんにちは 。美味しいものあるよ イチゴがあるから」など乗り出して日本語で話しかけてくる。
夜 涼しくなると 家族連れで賑わっていてモロッコのレジャースポットのようなショッピングモール的なところらしかった。
17日間のフランス、モロッコの旅は本当に楽しかった。
未体験の楽しいことはまだまだたくさんある。