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「居場所の煌めき」ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期9話感想

いーーーーーーーやまじでえげつない回でしたね!!!

天才作曲家(こう書くのもおこがましい)のミアちゃんを中心に、R3BIRTHの3人の物語が動いていく。誰かの想いが、誰かの心と行動を着実に動かしていく。それがスクールアイドルなんですよね。僕自身一番びっくりしているのはその流れの綺麗さ。ここがこう動いたら、そう動いている。システムだけど、システムじゃない。それは人の心を動かすマドラーのように、みんなをかき混ぜていきます。

さて、そろそろ本題に移りましょう!

「利用」から共生へ

「テイラー家」として居場所を作ることにしがみついた当初のミアちゃん。Aパートは、ひとりだけでは届かない夢を知って絶望したランジュちゃん“のため”に曲作りにいそしむ様子が見られました。ここで注目したいのは、「ランジュが僕を輝かせる」「君には僕の曲を歌ってもらわなきゃ困る」という旨の発言です。これまでのミアちゃんは、璃奈ちゃんに吐露した通り「自らの存在価値」を他の「モノ」や「ヒト」にゆだねていました。これは家柄ゆえのプレッシャーと、大観衆を目の当たりにした際の「体験」が大きいんじゃないかと個人的には思っています。自分じゃかなえられない願いを、他人を委ねてかなえたい。それでも、本人が言うビジネスパートナーという間柄が、ここにきてついにおかしくなってしまった。そう思うとめちゃめちゃしんどいっすね。

しかしながら、彼女には他の人がほとんど持たないある特別な「才能」があります。それは「音楽に関する知恵」です。彼女はまた家柄ゆえ、曲を作るための理論に関して他のスクールアイドルの誰にも負けないくらいの知恵を持っています。自分で作る時も、アドバイスをする時でも。そうでありながら、なぜそこまでして他者の夢だけをかなえようとするのか。それはおそらく、次に触れるこんなことが関係しているのかもしれませんね。

「他者貢献」という言葉をご存じでしょうか。「自分は誰かの役に立っている」という実感から自らの存在証明が得られる、という考え方です。その貢献の方法として、目に見える形と目に見えない形での貢献というのがあります。これは「アドラー心理学」においてもいろいろ書かれてたりするんですが、これをベースにめちゃめちゃ極端に行動するようになるとミアちゃんになるのかなぁと思いました。つまるところ他者貢献に取り憑かれてしまったと見ることもできるんですね。

印象的な「手と手」

多くの方も触れている通り、今話は「手」を使った表現が多く用いられていました。取り合ったり、触れ合ったり、取り払ったり、それでも差し伸べたり。それを印象づけるのは、表情があまり出てこない璃奈ちゃんだからこそではないでしょうか。

はっと気付かされたのは、これまでの愛さんのボディランゲージ。最初に出会った時も手を取り合っていたりしたのを思い出すと、受けた行動が丁寧に積み重なってここまできたことに驚かされます。最近読んだコロラド大学の研究に「手を繋ぐと呼吸がシンクロし始める」というものがあったりしますが、あれに近いと思っています。それは波のように、それは人と人との距離を測るように。

感情は、表に出さなくても伝わっていくもの。誰よりも悩み抜き、誰よりも考え、そして同好会のみんなと一緒に迷いを吹っ切った璃奈ちゃんが、こうしてまた誰かのそばにいることでつながってゆく。私たちはこのお話を見返す度に、それを思い出してゆくのでしょうね。

同好会における「居場所」とは何か?

大好きを追求できる場所、というものやみんなの夢が叶う場所、というさまざまな表現がなされた同好会。そのピースの一つとして絡んでくるのは「居場所」です。もちろん他のピースもあるのですが、その最大のピースととして私は「居場所」を挙げます。

2期のここまでのお話は、多少ぼかされてはいましたがストレートな言い方をすると「居場所を巡る物語」だったと思います。ランジュちゃんからすればそれを独力で築こうとし、それに疑問を持ち、それに追い詰められ、それに救われていく。もちろん同好会のみんなから見ると、それを見つめ直し、それを確認しあい、それによって次のステップへと進んでいく、と見ることもできますね。

何度か触れてきましたが、ニジガクの真のやさしさはすなわち「お互いを尊重し合う」ことでもあります。それは「気を遣い合う」のではなく「真っ直ぐに思いあえる」という関係性があり、だからこそみんなが真っ直ぐにいられる居場所が作れたのだと私は考えています。これから同好会に入る3人は、どうやってそれに溶け込んでいくのでしょうね。とてつもなくこれからも楽しみで仕方がありません。

「私たち」が追いかけた星

ミアちゃんの新曲「stars we chase」。このタイトルにおいて「we」となっている理由を、ちょっと紐解いてみましょう!

初めて曲中においてweという単語が出てくるのは「Take your hand out」のあたりですね。ここまで主語が「I」か「you」だったのに、ここにきていきなり出てくる。これは、「ミアちゃんが見た同好会の景色」とその経験に基づいた願いを、ランジュちゃんに伝えようとしているのだと思いました。さまざまな星というのがなによりそれを際立たせるものになっていますね。

また公式訳では「願い」となっていますが、英語の歌詞では「wish」ではなく「freed」となっています。これはもちろん「free」の過去分詞であり、単独では自由になったみたいな意味しか持ち得ません。ではこれがなぜ「freed」かというと、一つはミアちゃんの「他者貢献」からの解放、もう一つはランジュちゃんの「居場所が作れない」という呪いからの解放の2つの意味を持っていると考えています。青い鳥が放たれていくのは、その暗喩なのではないかと。

私たちが追いかけるからこそ、呪いが解かれる。そう力強く宣言したミアちゃんの想いは、きっとみんなにも伝わったはず。そう信じてやみません。

ミアち「ここすき」選手権!

さて。いつもの感想とはまた違って、ちょっと新しい取り組みをしようと思います。今回のお話は、今まで以上にミアちゃんのいろんな表情が見れて私自身非常にびっくりしました。笑ったり、悔しがったり、前を向いたり。ミアちゃんがこんなにも表情が豊かだったと思わなかったので、彼女のことをもう少しだけ知れたような、そんな気持ちになりました。

それでは早速。

目つきがやばい。やばすぎる。

同じような確信に満ち溢れた笑顔でも、この違い。みんなとのつながりを得て、さらに自信に満ち溢れた感じになりましたね。

いつになく真剣な表情のミアちゃん。自らの経験をそのままストレートにぶつけたことが、次のステップのきっかけにもなりました。

優勝。

こんな感じです。いやしかしすげーいろんな表情だ…!!

さて。次回は合宿回。どうなる??

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