「種の保存」の為に行動するのか?

群淘汰の誤り

個体は自己の適応度を最大化させる

レミングの自殺という話を知っていますか?

北欧に住むレミング(ネズミの1種)という種は数が増えすぎると種の存続を保つ為、川に入水自殺をするというものです。

果たして、このようなことはあり得るのでしょうか?

結論から言うと、あり得ません。

例えば、ある集団に自己犠牲する個体(A)と自己犠牲しない個体(B)が存在するとします。

仮に、レミングの話が本当だとして、集団サイズが増えすぎた際、自己犠牲する個体(A)は全て自殺してしまい、残ったのは自己犠牲しない個体(B)だけになります。

すると、次の世代では自己犠牲しない個体(B)とその子孫だけが集団を占める為、自己犠牲はもう起こらないことになります。

実際、レミングの自殺の話は捏造であったことがわかっています。

上記のような個体が種の存続を優先させるという考え方は群淘汰と言います。

群淘汰は、現在では(個体が種の存続を優先させるという意味では)ほぼ否定されています。

やはり、個体は自己の適応度を最大化(最も多くの遺伝子を残す)させるのでしょう。

参考文献;

Williams, G. C. (1966). Adaptation and Natural Selection. Princeton University Press, Princeton, NJ.

Dfg.webmaster@alaska.gov. (n.d.). Lemming Suicide Myth, Alaska Department of Fish and Game. Retrieved from http://www.adfg.alaska.gov/index.cfm?adfg=wildlifenews.view_article&articles_id=56