美男美女はなぜ好まれる?
互恵性と魅力度と生存の関係
美人と病気の意外な関係でわかったことは魅力度が高い人は生存する可能性が高いということです。
美男美女が好かれることは当たり前のように思えますが、それはなぜでしょう?
配偶者として考えるのなら、魅力が高いということは良い遺伝子を持っている指標となり得ます。
しかし、配偶者にならないその他の人々(友人や知人)にとっては魅力など何の意味があるのでしょうか?
研究結果からも、人々は魅力的な(健康的な)人とは積極的に助け合おうとするということが分かっています。
その理由は互恵性にあります。
互恵性とはいわゆる「助け合い」のことですが、生存競争が厳しい自然界では助けた相手から確実に助けてもらえるとは限りません。
ここでは、助け合いという行為に騙し合いが存在するということを言いたいのではなく、祖先の環境では助けた相手が死ぬことが日常的にあるという意味です。
つまり、魅力的な(健康的な)相手は長生きをする可能性が高く、より多くの資源を獲得する可能性が高いので、助け合う相手として選ぶのなら、魅力的な(健康的な)相手というのが妥当な選択になるわけです。
「美男美女は得をする」ということは文明が発達するだいぶ前から存在していた現象なのかもしれません。
参考文献:
Thornhill, R., & Gangestad, S. W. (1993). Human facial beauty. Human Nature, 4(3), 237–269. doi: 10.1007/bf02692201
Krupp, D. B., Debruine, L. M., & Jones, B. C. (2011). Apparent health encourages reciprocity. Evolution and Human Behavior, 32(3), 198-203. doi:10.1016/j.evolhumbehav.2010.10.001